イベント名 | ESD 成蹊フォーラム 2018 |
開催日 | 平成30年4月1日(日) 13:00~15:30 |
場所 | 成蹊大学 6号館( 東京都武蔵野市吉祥寺北町) |
主催 | 成蹊学園サステナビリティ教育研究センター |
◆背景
成蹊学園では2016年より、『武蔵野の自然と成蹊の学び』を軸に、成蹊学園の小中高大が連携し、地域ともつながることを目的として、ESD 成蹊フォーラムを開催している。成蹊学園では、こうした取り組みをさらに充実させるために、2018年4月にサステナビリティ教育研究センター(日本語略称:ESDセンター、英語略称:ERCS(エルクス)
=Education and Research Center for Sustainable development)を開設した。
◆内容
第1部:サステナビリティ教育研究センター開設記念式典
まず亀嶋学園長より設立の挨拶の後、池上敦子ESDセンター所長より設立の趣旨について、説明があった。
「100年に及ぶ栽培活動、90年に及ぶ気象観測など、体験型・観察型の本物に触れる教育が、成蹊学園の教育の特徴として重要な存在であった。また世界では、持続可能な社会をつくるために、ESDの重要性が高まってきている。これまで成蹊学園で蓄積されてきた資源を学校間で連携してさらに発展させ、持続発展教育として明示することが、持続可能な社会に役立つものと思う。」
立教大学ESD研究所長の阿部治教授による祝辞の後、学園の児童・生徒から応募のあったESDセンターのロゴマークなどの表彰式があった。
第2部:持続可能な社会づくりのための成蹊の学び
成蹊学園は、小学校から大学までの学校がある。小学校は先生による野菜栽培の授業など、中学校は生徒によるキャンプ体験など、高校では国際交流団体「Seikei International Alliance」による留学生支援、大学では学生ボランティア本部「Uni.」による近隣の公園などでの清掃活動など、大学職員からは学園正門前のケヤキ並木を地域と保全するプログラムなど、それぞれの取組発表があった。
第3部:特別講演(国立極地研究所長 中村卓司先生)
成蹊学園では、90年前より百葉箱を設置し気象観測を続けており、気象に関する学習に力を入れている。極地の気象や氷などの変化を観測し続けると、地球の気候変動を知る上で重要な手がかりとなる。極地研究の立場から、温暖化の現状と今後の気候変動などについての話があった。
◆参加者の様子
学園長の話にもあったが、外では成蹊桜祭で出店など賑やかな祭りを実施するなか、教育関係者、父兄など多数の参加者が来場し、ESDセンターへの関心の高さをうかがわせた。
◆まとめ
成蹊学園は、100年以上の歴史を持つ私学だ。これまでに培ってきた教育理念とESDの概念が近いという事が、今回のサステナビリティ教育研究センターの設置に繋がっている。小学校から大学までの学校を有する総合教育機関であり、吉祥寺の地に根付いて95年近くが経つという特徴は、様々な可能性を感じる。今回のESDセンター設置を契機に、これまでの活動がさらに発展していくことに期待したい。
リンク:
・成蹊学園サステナビリティ教育研究センター
・開設記念フォーラム チラシ
・成蹊学園プレスリリース:“持続可能な社会の担い手を育む教育”「成蹊学園サステナビリティ教育研究センター 開設」 記者説明会
取材:伊藤博隆(関東地方ESD活動支援センター)