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2018.09.05 センター事業 レポート 教員・指導者向け 

東京都ユネスコ連絡協議会ESD研究会にて講演・ワークショップを行いました。


東京都ユネスコ連絡協議会ESD研究会よりご依頼いただき、「SDGs達成に向けたESDの実践」と題した講演と「ESDモデルプログラム」を作るワークショップを、都内のユネスコ協会の方を対象に実施しました。
 

タイトル 基調講演「SDGs達成に向けたESDの実践」
ワークショップ「ESDモデルプログラム」
日時 平成30年7月21日(土)13:30~16:00
場所 新宿区立男女共同参画推進センター(ウィズ新宿)3階
主催 東京都ユネスコ連絡協議会 ESD研究会
後援 公益財団法人ユネスコ・アジア文化センター(ACCU)
公益社団法人日本ユネスコ協会連盟
ESD活動支援センター
関東地方ESD活動支援センター

 
【概要】
 東京都ユネスコ連絡協議会ESD研究会では、加盟する都内各地のユネスコ協会を対象に、定期的に勉強会を開催している。ユネスコ活動の歴史は古く、地域独自に様々な活動が行われているが、2015年に国連でSDGsが制定され、そうした国際的な流れに対応すべく、今回の研究会が企画された。
 

※ユネスコ協会
1946年に設立されたユネスコ(United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization, =国際連合教育科学文化機関)が定めたユネスコ憲章の理念に共感し、日本各地で283の民間のユネスコ協会が設立されている。ユネスコ憲章の前文では「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない」とあり、教育・科学・文化、コミュニケーションを通じて国際理解や国際協力を推進し、人びとの交流を通した国際平和と人類の福祉を促進している。ユネスコは、国連機関の中でESDを担う組織であることから、多くのユネスコ協会でもESDに取り組んでいる。

 
【当日プログラム概要】

13:30~13:35 主催者挨拶 東京都ユネスコ連絡協議会
13:35~14:15 基調講演「SDGs達成に向けたESDの実践」
講師:伊藤 博隆(関東地方ESD活動支援センター)
14:15~16:00 ワークショップ「ESDモデルプログラム」
16:00 閉会のことば

 
【プログラム実施内容】
■基調講演「SDGs達成に向けたESDの実践」

都内のユネスコ協会を中心とした参加者20名に対し、標記のような講演を実施した。

KantoESD_180721.TokyoUNESOC(1.53MB)
 
 
■ワークショップ「ESDモデルプログラム」
 まず各ユネスコ協会の方に、これまでやってきた活動についてお話を伺ったところ、「小中学生を対象にESDパスポートを活用し、ボランティア活動への参加を支援した」、「小学生を対象にした茶道教室を実施したところ、子どもたちの集中力が高まることを実感した」、「小学校への出前授業」、「中学生の合宿」、「英会話教室」、「海外との交流・スタディツアー」などESDに関連した多様な活動が共有された。個人で参加された高校でキャリアカウンセリングを担当する先生は「学校でも生徒の価値観を広げなければ、この先、生徒の将来は開けないのではないか」との参加理由をお話いただいた。
 次に、各個人の活動と関連して、SDGsの17課題から関心のあるテーマを選んで、若い世代に向けたプログラムづくりを行なうこととした。希望を伺ったところ、1:貧困、11:持続可能なまちづくり、12:作る責任・使う責任、13:気候変動の4つのグループに分かれた。

 テーマ毎に席替えをした後、個人作業として選んだテーマに関して、「知っていること」、「解決したい内容」、「伝えたいこと」を付箋に書いてもらい、それをグループ内で共有した。それらを踏まえて、各ユネスコ協会で実施できるようなプログラムを考えてもらった。ESDのプログラムなので、「教える」のではなく「気づかせる」ようなもので、かつユネスコ協会の強味が発揮できるような設定とした。

 最後に、各テーマごとで考えたプログラムについて共有を行なった。
 出てきたプログラムの案は、以下の通り。(発表内容を要約)

 

国内と海外に共通しているのは貧困の連鎖。十分な収入がないために、十分な教育が受けられない。若い世代に貧困の現実を教え、後にどういう影響があるのかを教える。当面は、無料の学習塾を見学したり、こども食堂を知ってもらうなど、貧困の怖さを知ってもらう。
地域の住民を対象に、外国人との共生をどうやって伝えていくかのプログラム。特に新宿区は外国人が多く、困っている人も多い。在住の外国の方を集めて話を聞いたり、モスリムの方に来ていただきお祈りや暮らし、ハラルフードの調達方法などについて聞いてみる。将来的に、日本が外国の方とうまくやっていく事につながる。多文化共生ツアー。
自然エネルギー、フェアトレードなどのアイデアが出たが、食品ロスのプログラムを考えた。10代の若者をホテルや飲食店の裏を見学して現実を見せ、食品ロスを削減するためのアイデアを考えさせ、提案してもらう。
気温上昇を解決するためのプログラム。西日本豪雨の映像を見せ、便利さを追求した結果、温暖化の影響を考えてもらう。具体的に何をするかまでは、検討する時間が無かった。

 
■本日の振り返り・まとめ
〇関東地方ESD活動支援センター:島田幸子
SDGsのゴールを一つ決めて深堀することで、ご自分の活動やこれからやっていく事を考える練習をして頂いた。SDGsは、世界全体で解決を目指そうという共通の言語であり共通の物差し。自分達の活動を見直す時に、自分達の活動はどの課題にアプローチしているか、活動を整理することができる。今日は出来なかったが、一つ選んだゴールに表裏や隣で関係しているゴールもある。例えば、貧困と連動してジェンダーや平等や教育が連動することが見えて来る。皆さんの活動のヒントになれば幸い。
 
〇日本ユネスコ協会連盟:林 美紀子 副会長
暑い中、熱心に参加していただいてありがとうございました。資料が分かりやすく良かった。これから仲間にもっとESDをPRしていきたい。みんなでやりたい項目を出して、それを議論するのは、公平性があって良かった。色々な方に参加して頂いたので、話が膨らみ問題点が分かった。相手に関心を持つというのは大変重要だと思うので、またやっていきたい。
 


 
今回、新宿ユネスコ協会の宮崎冴子様よりお声がけいただき、講演・ワークショップを実施させていただきました。貴重な機会を頂き、誠にありがとうございました。関東地方ESD活動支援センターでは、こうした講座の運営のご協力・コーディネート等も行なっておりますので、お気軽にお問い合わせください。

まとめ:伊藤博隆(関東地方ESD活動支援センター)

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