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2023.02.01 レポート 教員・指導者向け 

【参加レポート】川崎市立平間小学校「平間SDGsフェス」

タイトル 第4回「平間SDGsフェス」
日時 令和5年1月21日(土)8:30~12:30
 (トークセッション:12:40~13:50)
会場・主催 川崎市立平間小学校(神奈川県川崎市中原区)

 

【概要】
川崎市立平間(ひらま)小学校(佐川昌広校長)では、川崎市の研究推進校(生活科、総合的な学習の時間)として「主体的に学習に臨み、SDGsの視点で未来につなげようとする子~探究活動のつながりを大切にした授業づくり~」をテーマに掲げESDに取り組んでいる。
そうした日頃の成果を地域で共有する行事として、同校の生徒だけでなく、地元商店街、川崎市内の企業なども参加して、「未来のために協力し、笑顔でSDGsを達成しよう!」をスローガンに「平間SDGsフェス」を令和元(2019)年度より実施している。
「平間小SDGsフェス」ではなく、「平間SDGsフェス」なのは、学校単体だけでなく、地域全体でSDGsを推進するという思いから、名付けられている。
こうした取組が評価され、内閣総理大臣を本部長とする「SDGs推進本部」が実施する「第4回ジャパンSDGsアワード」にて、特別賞「SDGsパートナーシップ賞」を受賞(小学校では3校目)している。

 

【実施内容】

実施内容は大きく分けて、「生徒が発表するもの」と「地域の企業や団体が発表するもの」とに分かれている。生徒は、学年ごとに学習テーマが決まっており、数名のチーム毎にテーマを定めて探究したものを、保護者や参加企業などの来場者に向け発表し、発表のない時間は企業の出前授業やブース見学、他学年の発表などを自由に見学している。

 

生徒による学習発表


生徒は、各チーム発表概要をスライドにまとめ全体で発表した後、個別ブースで5分程度のミニプレゼンを実施。学習した内容を伝えるために、来場者にクイズ形式で質問したり、寸劇を行うなど、楽しく学べるように各チーム工夫を凝らしていた。4年生の水害対策プロジェクトでは、災害時に活用できる段ボールベッドを作り、参加者にその作り方を説明した紙を渡すなど、単なる発表だけではなく、学んだ事を来場者に伝えて、SDGs課題を解決するためのアクションを促す工夫が感じられた。

 

企業・団体による出前授業


出前授業を実施する団体は、SDGsフェス以外でも平間小学校と関わりのある団体や、川崎市が実施する「かわさきSDGsパートナー」に登録された企業などが提供している。出前授業は、生徒向けにクラス単位で実施されている。

 

体育館での発表


体育館でも、団体・企業がブースを構えて、誰でも参加できるようになっている。生徒が調べたことを模造紙にまとめた「平間小みんなのSDGs作品展」のコーナーも設けられている。高学年になると発表内容も「江戸時代のリサイクル事情」、「町内のAED設置状況」、「日用品などの輸入実態」など、かなり専門的なテーマに切り込んでいる。

 

トークセッション


来場した学校関係者や企業に向けて、トークセッションが行われた。
ゲストとして、(株)DeNAブレイブサンダース(プロバスケットB.LEAGUE所属チーム運営会社)、特別養護老人ホーム潮見台みどりの丘、平間小学校佐川校長より、SDGsの取組み事例の発表があった。運営には、同校の学校協議会の方が関り、コミュニティスクールとして、様々な地域の方の協力により多様な取り組みが行われていることが実感できた。

 


 

佐川校長コメント

4回目となる平間SDGsフェスは、保護者、地域の方、企業やNPO等合わせて450名以上の参加がありました。出前授業は、低学年ではSDGsや脱炭素についての基本的な内容、高学年では企業やNPOの製品や取組についての専門的な内容で、大人にも興味深いものでした。
出前授業またはブースや展示で参加した約40団体のほとんどが、かわさきSDGsパートナーに認証されていて(約3000団体が登録)、かわさきのSDGsの広がりのすごさが感じられます。
子どもの発表はもちろんですが、大人も年々盛り上がっています。

 


 

同校の佐川校長は、「出来る事は何でもやる」という姿勢でこれまで学校経営を行ってきており、今回のSDGsフェス以外にも、ESDを先進的に取り組む学校の先生を講師に迎え教員向けの研究会を実施したり、コロナ禍で朝食を摂るのが難しい生徒のために「おはようバナナ」というこども食堂のような取り組みを行ったり、様々な事にチャレンジしている。
学校を地域に開かれた場として解放することで、地域の様々な方が学校の運営に協力するようになり、そうした姿勢は教員や生徒にも伝搬し、文科省の全国学力・学習状況調査でも、「地域や社会をよくするために考える」19Pアップ、「総合的な学習の時間(プロジェクト学習)」10Pアップなどの成果にも表れている。

▲佐川校長の資料より
資料全体 (PDF:1.6MB)

 

以前、同校の4年生の研究授業を視察させて頂いた際、担任の先生の説明の後、生徒同士でグループディスカッションをするなど、先生がファシリテーターとなる新しいタイプの学習スタイルを、日常のように実践されていた。同校では、学校教育目標として「平間小の子がどこにいても楽しく生き生きとすごすため、自立と共生をめざし平間プライド(自己受容 他者信頼 貢献感) を育み、未来を創る」をスローガンに掲げている。今回の「平間SDGsフェス」でも、生徒は明るく表情も豊かで、「愉しみながら学んでいる」のが伝わってきた。ESDの重要な要素と良く言われる「体験」、「他者との交流」、「人前での発表」、「自分ごと化」が体現されていると感じた。
(スタッフ:伊藤博隆)

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