ほどがや市民活動センター(アワーズ)よりご依頼いただき、SDGsについて学ぶ講演と、市民活動とSDGsの関係を理解するためのワークショップを、横浜市保土ヶ谷区で市民活動に関わる方を対象に実施しました。
タイトル | みんなの広場第4回 “環境”って何?≪基礎編≫ ~国際社会共通の目標「SDGs(持続可能な開発目標)」について学ぶ |
日時 | 平成31年4月19日(金)18:30~20:30 |
場所/主催 | ほどがや市民活動センター(アワーズ) |
【概要】
ほどがや市民活動センター(アワーズ)では、みんなの広場と題して、「保土ケ谷の環境を次世代に残すために私たちができること~一人ひとりに出来ることはなにか・・・学び、考え、行動する1歩をここから一緒に始めませんか。」との趣旨で、毎月1回講座を実施。これまでも、横浜国立大学(同区内)の教授による講座などが開催されてきた。今回は、SDGsと市民活動との関わりについて理解を深め、暮らしに身近な事柄であることに気づいてもらうために、講演・及びワークショップを開催した。
【当日プログラム概要】
18:30 | 前回までの振り返り、趣旨説明 |
18:40 | 講演「国際社会共通の目標「SDGs(持続可能な開発目標)」について学ぶ 社会・福祉・まちづくり」 講師:伊藤 博隆(関東地方ESD活動支援センター) |
19:10 | グループワーク:グループ内で自己紹介 |
19:20 | グループワーク:テーブル毎に、題材となる団体より活動内容の紹介をしていただく。 |
19:30 | グループワーク:題材となる団体の活動がSDGsの何番に貢献するのか、テーブル毎に考えてもらう。 (特に社会、経済とのつながりについて) (特に社会、経済とのつながりについて) |
20:00 | グループワーク:各団体の活動を通じて、SDGsの目標年2030年に、何を残したいですか? |
20:20 | 全体共有(軽く)、感想をシェア 各活動に期待する、「今後地域に残したいもの」を共有する。 |
20:30 | 終了 |
【プログラム実施内容】
■講演「国際社会共通の目標「SDGs(持続可能な開発目標)」について学ぶ 社会・福祉・まちづくり」
参加者約50名に対し、標記のような講演を実施した。
KantoESD-190419_Hodogaya-ours.pdf(829k)
■ワークショップ
「SDGsは国連のものだから、自分たちとは関係ない」と思っている方も多い。しかし、SDGsで大切な事は、市民・企業・行政がそれぞれの立場で課題解決に向けて取り組むべきものであり、むしろ既存の地域活動こそが、SDGsの課題解決につながる部分が多い。そこで今回のワークショップでは、既存の活動がどのようなものであるかを知り、それがSDGsにどのように貢献するのかについて、参加者全員で考える場とした。それぞれに活動を行っている団体同士も、「名前は知っているが、活動の中身については良く知らない」事も多く、団体同士の相互理解に繋がることも目指した。
▲ 6つのテーブルそれぞれで、まずはテーブル内で簡単な自己紹介を行った。そして各テーブルの題材となる団体の方より、どのような趣旨で、どうした活動しているのか、また課題などについても話して頂いた。題材として話題提供して頂いた団体は下記の通り。
①ほどがや学び隊
②“カーリットの森”を守る市民の会
③保土ケ谷ガイドの会
④グリーン・アース
⑤WE21ジャパン・ほどがや
▲ 各団体の活動紹介を聞き、活動の特徴的なものを付箋紙に各人に書き綴ってもらった。そしてSDGsの17ゴールのラベルを配布し、活動が何番に対応するのかを、テーブル毎に考えた。いわゆるラベリングに相当するものであるが、団体以外の方からの意見というのは、意外性もあり新鮮な印象だったようだ。区内で活動されている団体の多くは、概ね20年以上の活動歴がある実績のある方々なので、その歴史の中で様々な取組をかなりされている。同じコアメンバーで長く活動されているので、このような形で、外部の方の目線で自らの活動について考えてもらう場というのは、それほど多くはないので、貴重な機会となったのではなかろうか。
▲ 最後に各団体の活動を通じて、SDGsの目標年である「2030年に、何を残したいですか?」というテーマでお話して頂いた。様々な取組がある中で、その核となる目標を意識することで、今後の活動のモチベーションに繋がるものだ。各グループで簡単に共有して、閉会となった。
今回、アワーズの方よりお声がけいただき、講演・ワークショップを実施させて頂いた。市民活動とSDGsの繋がりを理解するような活動は、これまで地域で実践されてきた取り組みを、SDGsの視点で再定義することであり、新鮮な気持ちで活動を振り返ることに繋がると感じた。またSDGsは、全世界、全セクターが共通して使えるモノサシであるので、何を目指しているのか可視化できるようになる。今後、市民活動と企業が協働するなどの場面があるときは、目指すものが明確になることで、マッチングが進めやすくなる効果もあるように感じた。
アワーズでは、地域の市民活動センターとして、今回の連続講座の他にも、地域の人々が自分たちの郷土の理解の促進に繋がるような、地学のフィールドワークのような講座を行ったり、地産地消を進める市場 活動への協力など、様々な形で市民活動の支援を行っている。単に施設の貸し出しだけでなく、積極的に様々な参加の場を作ることで、地域の取り組みが活性化されるように感じた。
まとめ:伊藤博隆(関東地方ESD活動支援センター)