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2019.08.01 SDGs関連 イベント・レポート センター事業 ユース対象 

<開催報告>SDGs文化祭 キックオフミーティング



【開催概要】

タイトル SDGs文化祭 キックオフミーティング
日時 令和元年7月27日(土)13:00~16:30
場所 地球環境パートナーシッププラザ(GEOC)(国連大学内)
(東京都渋谷区神宮前5丁目53-70)
主催 SDGs文化祭実行委員会
共催 (一社)ESD TOKYO
後援 東京大学EMPOWER Project
協力 多摩大学立教大学ESD研究所成蹊学園サステナビリティ教育研究センター、関東地方ESD活動支援センター
参加 主に首都圏の中高生、25校31名

 
【企画背景】
 これまでの10数年、ESDは小・中学校で実施される場合が多く、高校生を対象とした取組は少ないとされてきました。2015年末に国連でSDGsが打ち出され、持続可能な開発の課題とは何か?が網羅的に示されたことで、状況が変わってきました。SDGsを理解するには、概ね中学生以上レベルの学力・知識が求められます。そうした状況の中、徐々に中学・高校でもSDGsを学習する学校も増えてきました。しかし、SDGsを取り上げる学校はまだ少なく、SDGsに興味があっても周囲に仲間がいない生徒や、関心があっても学ぶ機会が与えられていない生徒が多数いると想定されたことから、SDGsに触れる機会の少ない意欲ある生徒を対象に、本文化祭は企画されました。
 関東地方ESD活動支援センターでは、平成30年度にESDユース応援企画として、2回の勉強会を開催しました。これらの勉強会には、現役の高校教師も多く参加され、その有志の方々により本企画の提案がなされ、開催に至りました。
 

【本企画の特徴】
中高生を対象としたSDGsの企画は多くありますが、本企画の特徴は以下の3つあります。
①中高生による横の繋がりづくり
近年、SDGsに取り組む学校は増えていますが、まだ限られています。そのため、SDGsに取り組みたい意志はあっても、そのような環境にない生徒が多く存在している。学校の枠を越えて企画立案・運営することで、意志を持った生徒を結び付け、日本におけるSDGsの推進を加速させていきたい。
②中高生と大学生の縦の繋がりの強化
中高生と大学生がSDGsの推進に一緒に取り組むことによって、学校種を越えた新しい教育のデザインを示します。若い力のアイデアを具体化するためには、年齢を越えた協働の学びがとても大切です。
③生徒主体の発信
あくまでも生徒を主体とし、大人は場を提供するだけ、というスタンスを取っています。そのため、いわゆる賞は設けず、あくまでも取り組んだことを評価します。文化祭のように、それぞれが自分の興味の下に、様々な実践と発表を行っていきます。
 

【SDGs文化祭:全体スケジュール】

第1回 7/27(土) GEOC@国連大学 キックオフミーティングを行い、問題意識や興味がある分野の共有を行う
第2回 8/24(土) 中目黒GTタワー 市民や大学生との対話を通じ、SDGsの課題とその解決方法をブラッシュアップする
8/25(日) 東京大学駒場地区キャンパス 中高生がそれぞれ課題解決のアイデアを持ち寄り、文化祭に向けたチームを作りSDGsプロジェクトを固めていく
第3回 11/16(土) 調整中 成果発表の場を設ける

 

■コーディネーター
〇桐蔭学園トランジションセンター専任講師:松井晋作氏
高校教員を10年間務めたのち、多摩大学を経て現職。目黒区・多摩市などで教育コーディネーターに従事する中で、関東地方ESD活動支援センターのユース応援企画のコーディネートを行う。研究分野は、ESD・SDGs・インクルーシブ教育・学校と仕事・社会をつなぐトランジション。
〇文化祭企画委員:佐藤駿介氏(私立学校教諭)
大学で政治学を学び、一般企業に勤務。その後、大学院を卒業し、私立高校の教員となる。
「実践に伴う知識の獲得」を掲げ、現在はESD/SDGs学習推進担当として活動している。

 

■協力団体
〇東京大学EMPOWER Project
東京大学の学生が中心となって、「誰一人取り残さない世界」を実現するための新プロジェクトを立ち上げました。私たちは、「協力が必要な時は、お声を!」の気持ちを表すマークである「マゼンタ・スター」を広めていくことで、困った時、協力してくれる人をみつけやすく、誰もが誰かのためになれる世界をつくることを目指しています。

 
 

【プログラム実施内容】

全体進行:桐蔭学園トランジションセンター専任講師:松井晋作氏

■開会挨拶・趣旨説明

〇関東地方ESD活動支援センター:伊藤博隆
 これまでのESDは小学校を中心に取り組まれてきたが、SDGsが登場してから、小学生には難し過ぎる事もあり、主に高校向けのSDGsの勉強会を昨年実施した。そこに参加した高校教員の有志より、今回のSDGs文化祭が提案され、実行される事になった経緯を説明。
 
〇文化祭企画委員:佐藤駿介氏(私立学校教諭)

↑今回のSDGs文化祭の提案者の一人、現役の高校教員の佐藤駿介氏より説明。自分の学校は生徒からの提案があれば、それを受け入れて実施する校風で最近は20個ぐらいのプロジェクトを実施している。しかし学校の中で提案する子がいると“意識高い系”だと思われ、やる気を削がれる子もいるのではないか、という問題意識もあった。自分の学校の生徒との話の中で、「他の学校の子はどうなんだろう?」という問いから、学校を越えてやってみたいと強く思い、色々な方のご協力を得て、今回のような場を設けるに至った。多くの人に来て頂いてとても嬉しく、今日は普段話したことがない人と色々な刺激を受けて頂きたいし、今後もこうした場を設けていきたいと思っている。
 

■アイスブレイク

〇ファシリテーター:桐蔭学園トランジションセンター専任講師:松井晋作氏

↑参加した中高生は、学年もバラバラで殆どが初対面であり、表情も強ばっているように見受けられた。そこで最初に、緊張を解きほぐすために、アイスブレイク(氷を溶かす)として、「偏愛マップ」という簡単なワークを行った。これは、自分が何でも好きなものを、イラストや文字で紙に書き、自己紹介を行うものだ。これを机を移動してメンバーを変えて3回実施することで、どのような人が参加しているか、大まかに理解することができ、会場全体が打ち解けた雰囲気になった。
 

■東京大学EMPOWER Project 取り組み説明

東京大学EMPOWER Project
 中高生にSDGsについてレクチャーするのは、大人がするより世代が近い大学生からのほうが、より伝わるのではという趣旨から、SDGsをきっかけにソーシャルな活動を開始した東京大学EMPOWER Projectのメンバーから、SDGsについてと、なぜそこから現在の活動を開始したかを説明してもらった。

↑「国連・SDGsについて」
 EMPOWER Project メンバー 市橋紅呂瑛氏(東京大学教養学部2年生)

 まず「国連とは何か」の説明。第二次世界大戦の経験から、二度と戦争を起こさないための組織として設立された。国連の通常予算と世界の軍事費の合計を比べると、国連の予算はごくわずかという事や、国連の組織について説明があった。90年代に冷戦が終わり、その後は途上国について話し合いが行われる事が多くなり、そこで2000年に打ち出されたのがMDGs(ミレニアム開発目標)であり、乳児死亡率の減少など一定の成果を得たが、世界全体をターゲットとして計画されたのが、2015年のSDGsだ。最も遅れているところに第一に手を伸ばして、格差を無くしていこうというのが基本の考え方。MDGsとの違いは、企業やNGOや当事者たちを巻き込んでいって、解決していこうというもの。
 

↑「SDGsで一番大切なワード『誰一人取り残さない』について」
 EMPOWER Project 共同代表 飯山智史氏 (東京大学医学部4年生)

SDGsの17のターゲット全てを一つ一つ学ぶよりもまず、そこにある根本的な考え方「誰一人取り残さない」を理解することが重要。誰一人取り残さない、を実現するためには、最も遅れたところに手を差し伸べること。国連の第2代事務総長の言葉として「国連は人を天国に誘うためでなく、人を地獄から救うために設立された」というものがある。国連のいう「周辺化された人」というのは、例えば移民、障害者、高齢者、先住民、LGBTなど。自分の好きなディズニーも、ホームレスのアラジンや先住民の子ポカホンタスなど、取り残され周辺化されている人を描いている。みんなに考えて欲しいのは、取り残された、手を伸ばすべき人を意識すること。
 

「ミニワーク:自分の周りの取り残された人って誰?」
テーブルの人と、身近にいる取り残されている人を挙げてもらった。出てきた意見は以下の通り

  • 自分たちが恵まれすぎていて、取り残されている人を見つけづらい。
  • 虐待されている児童、ホームレスなど、隠れているけど、取り残されている。
     →助けてください、と声をあげられる人はまだ良い。

  • 発展途上国の人たちが取り残されている。発展している国の工場などで低賃金で働いているとか。
  • 難民。国を移動しても、その国の教育を受けられない人とか。
  • LGBTも。
  • 日本には目に見えていない貧困の現状がある。目に見えているところでは、東南アジアなどの子どもも大人も。
  • ブルーカラーとホワイトカラー。現在の日本で、移民の方はブルーカラーのイメージ。現代の日本は移民の受け入れに対しての考え方が古いので、変えていくべき。
  • スラム街、教育が受けられない人が取り残されている。衛生、労働など、そういう条件で教育が受けられない人が増えたら、国は滅びてしまう。
  • ジェンダー。ステレオタイプから外れた人たちが身近でも取り残されているのではないかと思う。男でも泣いていいと思うし、ボーイッシュな女の子に女らしくしろというのはおかしい。
     
     多岐に渡る意見をありがとうございます。貧困層の教育などのように、SDGsの1番(貧困)と4番(教育)が繋がるな、などこれまで関連づけられなかったものが見えてくるのがSDGsの良いところだと思った。では、「誰一人取り残さない」をどう実現するかを考えてみたい。私たちが大事だと思っているところを、障害を例に考えてみたい。障害者というと、車椅子とか白杖をついている人を思い浮かべるが、それは古い考え方。足が悪いなど、病気が原因で障害者になるという考えが、障害の医学モデルという考え方。2006年に国連で障害者の権利条約が採択され、障害の社会モデルという考えに変わった。例えば道に階段や段差がなければ、車椅子の人もどこへでも自由に行けて、障害者ではなくなる。障害は人ではなく、社会側にある、という考え方になった。そうした社会的な障害がなければ、目が見えないとか車椅子に乗っているのも、単なる一つの個性。これまで社会を変えるというと、国や政治で社会を変えてきたが、SDGsの良いところは、一人一人の行動によって社会が変えられる、ということ。ディズニーのキャラクターたちも、そうした個性があり、虐げられていた中から、周りが変わっていく、社会が変わっていくことで活躍している。ディズニーのように、文化の力で社会を変えていこうとしている。僕たちも文化から変えていけると思っている。例えば、地下鉄の路線図が色覚障害の方にも分かりやすくなったり、駅ナンバリングになったことで、色々な人にとって便利になった。こういう事が社会モデルに基づいて社会が変わったということ。
     

 

↑「EMPOWER Projectについて」
 EMPOWER Project 共同代表 町田絋太氏 (東京大学工学部4年生)

 マタニティマークやヘルプマークは、「当事者」が自分で発信すること。自分たちが作ったマゼンタ・スターというマークは「何か困ったことがあれば協力しますよ」というもの。これのポイントは、自分に余裕があって協力できる時につけるもので、自分の体調が悪かったりすれば、無理してつけなくても良い。先ほどの駅ナンバリングも、色弱の人だけでなく外国人などにとっても分かりやすい。何に困っているかという「ニーズ」がとても大事。マタニティマークなどから一歩進んで、周りの人が心のバリアを減らしていく努力が必要だと思っていて、協力者が協力の意志をカミングアウトするものとして、このマークを作った。僕らが大事にしていることは、「必ずしもやらなくても良い」「できる範囲で協力する」というのがとても大事だと思っている。バリアフリー検定などは少しハードルが高いが、誰にでも簡単にできるファーストステップとして考えている。
 マゼンタ・スターのバッジなどのグッズも作っており、店舗向けのステッカーなども作っている。活動をはじめて2年ぐらいだが、国連の本部で発表したり、WFPやUNICEF、政治家、ピエールエルメというお菓子屋さん、などともコラボレーションをしながら様々な活動をしている。

↑マゼンタスターのキーホルダー。他にも様々なマゼンタスターがある。
 

自らの取り組みワールドカフェ

〇ファシリテーター:桐蔭学園トランジションセンター専任講師:松井晋作氏
参加した中高生より、少し年上の先輩であるEMPOWER ProjectがSDGsをきっかけにはじめた活動を聞いて、どのように感じたか3つのお題を掲げ、ワールドカフェ方式でグループを変えながら、グループで話し合った。

・お題1:EMPOWER Projectについて、意見をグループ毎で共有
・お題2:今、自分がSDGsの観点で取り組んでいる/取り組みたいことは?
・お題3:今の自分/他人の取り組みの強み・弱みは?
 
 
参加者から出てきた意見(まとめ:市橋紅呂瑛氏)
↓下記2枚の画像は、クリックで拡大。

ハーベスト・リフレクション

〇ファシリテーター:桐蔭学園トランジションセンター専任講師:松井晋作氏
8月25、26日に開催する第2回に向けて、今日色々な話を聞いた中で、「自分はコレをやりたいな」というアイデアを、各人に書き出しもらった。次回は、今回のワークショップに参加して考えを各人まとめ、それを市民や大学生との対話によりブラッシュアップし、11月の文化祭本番に向けて、テーマを絞っていく。
 
参加者からの感想:

  • 特にできる事があるとかまではできなかったが、この経験を活かして、他の人たちとも協力して問題解決にチャレンジしたい。
  • EMPOWER Projectを知れてよかった。これを広めないといけないと思った。
  • 自分たちを変える。バッチをつけたり、ペットボトルを使わないとか。次に自分の知っている人たちを変える。自分以外を変える。そして最終的には国を超えて、変えていけるように、自分たちから変えていく。
  • この問題ヤバいよね、ということを話していたら時間が無くなってしまったが、この話を聞いた10人でも、7人は気にしないと思う、多くの人が動くように、少しずつ広めていくのが大切。
  • やりたいことという感じで話した。SDGsに関心がある人と話したい。身の回りの人と話すことで、SDGsを広めたいという話をした。
  • 小さいころから習っていたスキルで途上国の子に教えるとか、自分の好きな事・今できることから考える
  • 現状を知ることが大切だと思った。例として、海外に研修に行って、移民の現状を知ったという人もいた。SDGsに興味があるひとはまだあまりいないと思うので、こういう場で出会ったひととつながっていくことが大切だと思う。

 
 
 

まとめ:伊藤博隆(関東地方ESD活動支援センター)
 

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