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2019.10.03 イベント紹介 センター事業 レポート 

<開催報告>関東地方ESD活動支援センター 地域意見交換会in新潟 「ESDの今、これから」



関東地方ESD活動支援センターでは、ESDの推進を図るための意見交換会を実施しています。令和元年度は、新潟県において「地域ESD活動推進拠点」の取組み紹介を行うとともに、新潟県内でESDを共に推進する方々との意見交換の場として開催しました。教育ご関係者、行政、企業、NPO、学生をはじめ、ESDやSDGsにご関心のある方にご参加いただき、実施しました。
 

日時 令和元年9月23日(月・祝) 第一部:10:30~12:30、第二部:13:30~16:30
場所 新潟県立環境と人間のふれあい館- 新潟水俣病資料館 –
新潟市北区前新田字新々囲乙364-7
主催 関東地方ESD活動支援センター
共催 学校法人専修学校 キャリアテクニカ学園 日本自然環境専門学校
後援 新潟県、新潟市
発表 学校法人専修学校 キャリアテクニカ学園 日本自然環境専門学校
新潟市水族館マリンピア日本海
公益財団法人 鼓童文化財団
一般社団法人あがのがわ環境学舎

 
【プログラム】

第一部

■モデル授業

・「阿賀野川流域地域の光と影を通じたESD-SDGs 」教材化プロジェクトについて
 紙芝居を使った模擬授業/(一社)あがのがわ環境学舎

阿賀野川流域を舞台とした環境学習の運営団体「一般社団法人あがのがわ環境学舎」は平成23年2月に設立され、新潟県から公害発生地域の再生事業を受託しながら、「光と影の環境学習」を流域の方々とつくりあげ、県内外から訪問客を受け入れることで、「もやい直し」を推進する新しい流域づくりを目指しています。
環境学舎は阿賀町教育委員会などとコンソーシアムを形成して、文部科学省が所管する「平成30年度ユネスコ活動費補助金グローバル人材の育成に向けたESDの推進事業」にプロジェクトが採択され、阿賀町内の小・中学生を対象に、阿賀町近代産業の光と影を題材とした紙芝居の教材を作成しました。今回は、その紙芝居を使った学校での授業を模擬的に体験していただき、どのような学習は実践されているかを学びました。

発表資料及びデジタル版紙芝居(PDF:7.0M)
 
学校でのプログラムは、まずデジタル紙芝居を上演して、その後に紙芝居の内容を歴史年表にした空欄をクイズ形式で生徒に応えさせるという内容。紙芝居にすることで、生徒は熱心に話を聞き、クイズの正解率も高いとのこと。
その後は本来であれば、すぐに現地へ赴いて、阿賀町の近代産業の各スポットを、歴史順にめぐっていくスタイルとなっています。

 
 

■館内見学

新潟県立環境と人間のふれあい館の塚田館長より、資料館の館内案内をしていただきました。こちらの施設は、水環境の大切さを学習するために、自然とのふれあいが体験できる施設で水俣病のような悲劇を繰り返さないよう、その経験と教訓を後世に伝えていく目的で設置されています。館内には、阿賀野川流域のジオラマや、新潟水俣病発生当時の人々の暮らしの様子などが模型などで展示され、社会科見学などでも訪れる場所になっています。


 
第二部

■挨拶・ESD/SDGsの最近の状況


当センターの島田より、昨今のESDやSDGsに関する状況の報告と、地域ESD拠点に関する説明を行いました。
 
ESDやSDGsに関する状況の報告
 

■地域ESD活動推進拠点の取り組み紹介

新潟県内の地域ESD活動推進拠点の取り組み紹介

学校法人 日本自然環境専門学校 <新潟市中央区>


日本でも数少ない、環境系の専門学校である日本自然環境専門学校学校長の五十嵐実様より、ESDの取り組みについてお話いただきました。同校には自然環境保全科、環境教育科、環境園芸緑地科、自然環境研究科の4つの学科があり、新潟市立沼垂小学校への学校ビオトープの設計・造成や出前授業などに協力して学生の実践の場を作り、様々な形でESDの指導ができる人材の育成を行っています。
 
日本自然環境専門学校(PDF:1.6M)
 

新潟市水族館マリンピア日本海 <新潟市中央区>


新潟市水族館マリンピア日本海の事例として学びのデザイン室室長の大和淳様より、「新潟市水族館マリンピア日本海の概要」、「水族館とは?」、「取り組み紹介」、「今後の展望」についてお話いただきました。取り組み紹介として、大人を対象とした「海の豊かさを守る」ということを自分ごと(自分たちごと)にするための「海の豊かさを守ろう」ワークショップと、小学校4~6年生を対象に、海や陸水の環境やそこにすむ生きものにとって人の影響が大きいことを実感する「だいしアカデミー」でのワークショップをご紹介いただきました。新潟市内の環境系の施設同士で連携をはじめていることや、学校や他団体とこれまで以上に連携していきたいと考えているとお話しいただきました。
 
新潟市水族館 マリンピア日本海(PDF:371k)
 

公益財団法人 鼓童文化財団 <佐渡市>


太鼓芸能集団の鼓童の取り組みについて、専務理事の菅野敦司様より、過去から現在までの取り組みをお話いただきました。高度成長期の佐渡は農業高校の生徒でも9割が都会へ行ってしまう状況の中で、設立に関わった民俗学者の宮本常一氏は、都会と比較して自信を喪失している佐渡に、自分たちの持っている文化的アイデンティティを見直す学びの場を提案した。廃校を利用した研修所を作り、芸能を学ぶだけでなく、農耕儀礼としての伝統芸能の原点を実感するために米作りを行っている。最近力を入れているのはエクサドンで、エクササイズ+佐渡+太鼓の「ドン」という音を組み合わせた造語で、健康増進と介護予防のためのフィットネスプログラムの研究・実践を行っている。
 
公益財団法人 鼓童文化財団(PDF:4.5M)

↑「エクサドン」の取り組み
〜太鼓を使った健康増進、介護予防フィットネス・プログラム<YouTube>
 

一般社団法人あがのがわ環境学舎 <阿賀野市>


一般社団法人あがのがわ環境学舎からは、午前中に実施した学校向けの出前授業の他に行われている、様々な事業についてご説明いただきました。新潟水俣病40周年を契機に公表された新潟県の「ふるさとの環境づくり宣言」に基づく「阿賀野川流域地域フィールドミュージアム事業(通称:阿賀野川え~とこだプロジェクト)」、流域の住民や団体が少人数で寄り合ってじっくり語り合う「炉端談議」(略して「ロバダン!」)などをご紹介頂きました。一般社団法人あがのがわ環境学舎の全体的な目標としては、阿賀野川流域の地域再生を担うことが本来業務であり、「公害の地域再生」と「一般的な地域再生」の両面を実施しています。その目的のために、「あがのがわ環境学習ツアー」、流域住民への「歴史講座ツアー」、企業向けの「CSR研修」、「行政職員向け研修」など、様々な対象・内容で取り組んでいます。
 
阿賀野川流域地域の光と影を通じたESD-SDGsの多様な展開(PDF:4.5M)
 

■意見交換


最後のパートは「地域でESDを進めるには?」と題して、先ほど事例紹介を頂いた4つの地域ESD拠点ごとにテーブルを分け、グループディスカッションを行いました。
まず、本日の感想を共有をするための、発表を聞いて思ったこと、感じたことをメモに書いていただき、グループ内で共有しました。
次に、今後「してみたいこと」は?と題し、これからどんな連携などが可能か、アイデアを出し合いました。
 
今後「してみたいこと」のワークショップ結果↓

↑学校法人 日本自然環境専門学校
 

↑新潟市水族館マリンピア日本海
 

↑公益財団法人 鼓童文化財団
 

↑一般社団法人あがのがわ環境学舎

 
 
 
最後に全体で共有しました。今後の展開が非常に楽しみです。
ご参加頂きました皆様、関係者の皆様、ありがとうござました。

 
 
まとめ:関東地方ESD活動支援センター:伊藤博隆

 

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