タイトル | 関東地方ESD活動支援センター 地域意見交換会in栃木 栃木の自然体験活動とESD/SDGs ~コロナ禍での活動と、ESD/SDGsなどへの新たな対応~ |
日時 | 令和3年3月16日(火)19:00〜21:00 |
会場 | オンライン・Zoom |
主催 | 関東地方ESD活動支援センター |
協力 | 栃木県地球温暖化防止活動推進センター NPO法人 栃木県環境カウンセラー協会 |
参加者 | 41名 |
【概要】
「栃木の自然体験活動とESD/SDGs」と題し、県内の自然体験活動や、ESD・SDGs推進に関わる取り組みを共有し、意見交換の場として開催しました。コロナ禍で自然体験学習、修学旅行が中止になり、活動機会が減っている状況のなか、他団体との情報共有から活動のヒントを得ること、ESD・SDGsの視点を織り込んだプログラム作成へのアプローチ方法、他団体とのネットワーキングの機会の提供を目的として実施しました。
実施内容
栃木県内の自然体験活動の取り組み紹介
お2人より、現在の取組みについてご紹介していただきました。
〇サシバの里自然学校 遠藤隼氏 <芳賀郡市貝町>
コロナ禍で自然観察会を実施できなくなった対応として、オンラインでの「自然観察会」を実施。総再生回数4,000回以上と予想を超える反響を生んだ。オンラインの観察会を開始した経緯、成功の工夫、リアル実施への連携など解説いただきました。
また、「栃木県内の自然体験活動団体向け新型コロナウイルス感染症感染拡大に関する影響調査」を「とちぎ自然体験活動ネットワーク準備委員会」として令和2年秋に実施。栃木県内に所在を置き、定期的に自然体験活動を実施している28団体より回答を得た。このアンケートから見えてきたことは、以下の通り。
- 約8割の自然体験活動団体において「経営に影響が出ている」と回答され、約半数の団体で100万円以上の売上減少が見られる。
→経営難に苦しんでおり、金銭的な支援が必要 - この8ヶ月間で約28,000人の自然体験の機会が失われている。
→心身の活力低下、環境問題やSDGsへの関心低下が懸念される - 体験の場を減らさないためにガイドラインを設け対策しながら継続して実施している団体も多く、継続するための活動PRの場や情報発信の機会を求める声が多い。
→利用促進のための支援策を求めている
発表資料 (PDF:2.0MB)
〇NPO法人 トチギ環境未来基地 塚本竜也氏 <芳賀郡益子町>
コロナ禍での自然体験活動~特に、サポートが必要なご家庭子どもたちへの自然体験活動~
平時、年間平均約1,500名のボランティアさんを巻き込んでの放置竹林の整備活動を進めていたが、今年度はコロナのため参加人数を8割減らして活動を継続した。一方で、県内でも一人親家庭の増加などの児童貧困の問題があるが、コロナ禍により顕在化。そこで、コロナの影響により学校が休校となり、仕事があるのに子どもの預け先がない親御さんをサポートする「森でリフレッシュプログラム」を実施。子どもたちを森で預かって遊ぶプログラムを18回、延べ128人の子どもに実施したところ、「子どもも親もたくさんストレスを感じていたので、お互いに良い気分転換になりました」と好評となった。SDGsの課題解決につながる自然体験の取組みについて、発表して頂いた。
発表資料 (PDF:3.0MB)
意見交換・ワークショップ ~ブレイク・アウト~
今回は、県内で活動する方の交流を目的として開催したため、ブレイクアウト・セッションでも自己紹介や、現在感じている事、課題などを共有した。興味・関心が異なるメンバーで1チームを構成する方法で、3~5人のチーム×6グループにファシリテーターを中心に、お一人ずつ語っていただいた。
ファシリテーターは、ご発表頂いたお二人のほか、那須高原自然学校の真山高士氏、日本野鳥の会 栃木県支部の手塚功氏など、地元の方を中心に実施した。
全体共有
各チーム、ファシリテーターからチーム内での発言内容報告があり「コロナ禍で活動を実施できていない現状。」「SDGsを具体的にどう進めていくか。という悩み」といった発言が多く聞かれました。一方で「その件は○○さんに聞いたらいいんじゃない。」等、ニーズの「マッチング」が生まれる場面もありました。
最後に、今後のネットワークのために、日本野鳥の会栃木県支部の手塚功氏より、繋がりのツールについて解説していただきました。
★とちぎ環境教育メーリングリスト
https://kankyo-tochigi.jimdofree.com/メーリングリスト/
★facebookグループ 環境教育とちぎ
https://www.facebook.com/groups/eetochigi/
参加者の声(アンケート抜粋)
・活動の実態を担当者から直接意見を聞けたのが参考になりました。
・環境活動に対する実情と問題点等の意見交換ができ有意義でした。
・実際に会える機会がなくなってしまったので、久しぶりにいろいろな団体のお話をきけて、自分のモチベーションがあがりました!ありがとうございました!!
・初めて栃木県内で開催された夜のオンライン集会に多くの参加者がいて、県内でも多くの方がESDやSDGsに関心を持っていることを知ることができました。
今回、アンケートをご記入いただいた結果、半数以上の方から『今後の活動のヒントを得られた』というお言葉をいただきました。同じ「栃木県内」、「自然観察会」、「SDGs」という共通のキーワードを持って活動している皆様に、今回ご参加いただいたことで、各実践発表が活動のアイデアにつながり、皆様のネットワーク形成のお手伝いにつながることは、事務局として何より嬉しい成果です。
全体ディスカッションが盛り上がり、開催中に発言をされていない方がたくさんいらしたため、希望者のみで「放課後交流会」を実施いたしました。オンライン会議に初めて参加する方、個人での活動経験は長いけれども仲間を求めての参加など、多様な方が活発に発言する会となりました。コロナの折、完全に前向きにはなれない状況でも、特に今回は「熱気」を感じられる会となり、栃木県の団体の皆様の連携の強さを感じたと同時に、今後の各団体さんの活動の再開を非常に待ち遠しく感じた時間となりました。
(スタッフ:新木)