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2022.08.31 センター事業 ユース向け レポート 

【事例紹介】SDGsに関する企業と高校生の交流

当センターの事業をきっかけとして、企業と高校生が出会い、交流を続けています。ESDにとって、多世代での学びは重要な要素の一つですが、企業と高校生が交流することで、互いに学びあうことができ、双方にとってwin-winな関係ができました。その交流の様子をお伝えします。
 
 

■出会い

出会いのきっかけは、令和3年度のSDGs文化祭 2nd sessionでした。当センターも実行委員として参加するSDGs文化祭は、中学・高校生を対象に「学校外でのSDGsの学びの機会」を提供しているもので、SDGsの諸課題について中高生が自ら課題解決方法を考え、何らかのアクションを実施し発表するものです。この過程で、企業、大学生、学年・地域を越えた他校の生徒、一般の大人に向けてアクションを訴え、そこでの対話を通じて、アクションをブラッシュアップしていくものです。
SDGs文化祭に参加した渡邊七虹さん(当時高校2年)は、「国内の外国人労働者」をテーマに定め、リサーチを進めました。SDGs文化祭の2ndセッションでは、グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンの「GCの社内浸透研究分科会」と連携して、中高生が考えるSDGsアクションを発表し、企業でサステナビリティなどを担当する方からのコメントを頂く機会を設けています。ここで渡邊さんの発表を聞いた(株)アウトソーシングの方より、「テーマに深く共鳴いたしました。当社内で報告したところ、是非何か協力し一緒にできることがないか考えさせていただければ」とご連絡をいただきました。

 

■高校生が主催するイベントに、企業が協力

当センターから渡邊さんに連絡を取ったところ快諾して頂き、渡邊さん、(株)アウトソーシング、当センターの3者でオンラインでミーティングを何度か実施しました。そこで、渡邊さんがSDGs文化祭の一環として活動している「国内の外国人労働者」をテーマにしたアクションの一つとして、渡邊さんが主催するイベントに(株)アウトソーシングが協力して、オンラインセミナーを実施することとなりました。
※登壇者肩書は当時のものです
内容としては、まず、渡邊さんが調査した日本における外国人労働者の問題について発表がありました。

 

↓渡邊さんのイベント趣旨

なぜ「国境を超えた仕事の共存」について、みんなで話し合いたかったのか?
日本における外国人労働者数は8年連続で増加し続けている。40年後には労働人口が4割減り、日本は労働力不足から免れられない状況である。その不足を補うために、海外からの労働者が日本経済の鍵となってくると考えている。「日本の将来について、よりよい未来を作るにはとうしたらいいか」を私たち、若い世代で話し合うべきだと考えこのイベントを企画しました。本日登壇していただく方のお話を参考にして「自分たちは何をすべきか」「よりよい未来を創るにはどうしたらいいのか」を一緒に考えていただきたいです。

 

事例発表は、(株)アウトソーシングの関連企業で、人権等に配慮した外国人労働者の派遣の取組みを進める日本国内の団体2社と、オランダに拠点を持ち欧州全域で事業を行う企業1社の、合計3社の具体的な取り組みの発表がありました。

この後は、8つののルームに分かれて、参加者である中高生・大学生を中心とした若者世代と、(株)アウトソーシングの社員の方とでディスカッションを行いました。そのうち一つのグループは、オランダから参加した方と、英語でディスカッションを行いました。

 

詳しくはこちらをご覧ください
【取材レポート】「企業とSDGsについて語ろう」

 

渡邊さんは、このオンラインイベントを通じて、「国内の外国人労働者」に関するリサーチをさらに深めることとなり、ご自身の考えをSDGs文化祭で発表しました。

 

■関東ESD推進ネットワーク 第5回 地域フォーラム「多世代で進める、これからの<ESD for 2030>」での発表

当センターが年に一度開催する、関東地区のESD関係者を対象とした第5回地域フォーラムにて、ESDの取組み事例として渡邊さんと(株)アウトソーシングの方に事例を紹介として発表していただきました。この回のフォーラムでは、多世代での取り組みに焦点をあてましたが、ESDやSDGs学習では、立場の違う人が一緒に行動することで大きな学びを得るという事で、まさにふれに相応しい事例として発表していただきました。若い世代だけでなく、現役の社会人にとっても、SDGsを学んできた生徒と対話することは、有意義な事が確認できました。

また分科会では、渡邊さん、(株)アウトソーシングの方に話題提供をしていただき、「今回実施したプロジェクトの意義」についてオンラインで参加の皆様とともに、ディスカッションを行いました。

 

■渡邊さんによる企業訪問・意見交換

その後、渡邊さんと(株)アウトソーシングの交流は続いており、2022年4月には、渡邊さんが(株) アウトソーシング丸の内 本社へ企業訪問し、SDGsへの取り組みについて意見交換会を実施しました。これは同社のオンラインネットワークでも報じられました。

(株) アウトソーシング 社内報記事(許可を得て転載)
 


 
最近の高校生は、小・中学校の頃からSDGsについて学んでおり、SDGsの考え方が身についている生徒も多くなってきています。未来の社会を生きていく若い世代にとって、SDGsやさらにその先のより良い社会づくりは、他人事ではありません。これまで企業と高校生の関係というと、「職場体験」など上下関係的なものが多かった印象がありますが、SDGsが染みついている若い世代と企業が交流することは、お互いにとって深い学びに繋がる水平的な関係にあると思います。今回の事例のように、若い世代と企業の良い関係が増えていくことを期待しています。
(関東地方ESD活動支援センター 伊藤)
 
当センターでは、企業・学校などからESDに関したご相談等を随時お受けしております。皆様からご連絡をお待ちしております。

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