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2020.11.05 SDGs関連 センター事業 ユース向け レポート 教員・指導者向け 

<開催報告>令和2年度 SDGs文化祭 3rd session

令和2年度のSDGs文化祭の3回目のセッションを開催しました。今回は、参加する中高生がそれぞれ個人で進めてきた課題解決のアイデアを持ち寄り、テーマの近い者同士でチームを作りました。

【開催概要】

タイトル SDGs文化祭 3rd session
日時 令和2年8月30日(日)13:00~15:00
場所 Webにて開催(zoom)
主催 SDGs文化祭実行委員会
共催 (一社)ESD TOKYO
後援 東京大学EMPOWER Project
協力 関東地方ESD活動支援センター
参加 主に関東の中高生:12名
大学生メンター7名(東京大学EMPOWER Project)

 

【企画背景】
これまでESDや環境教育は、主に小学校を中心に取り組まれてきましたが、2015年に国連でSDGsが制定されて以降、中学・高校でのSDGs教育へのニーズが高まってきました。こうした背景から、有志によるSDGs文化祭実行委員会を組織し、令和元年度に第1回SDGs文化祭を企画・運営しました。本企画は、SDGsに興味のある生徒を集め、協働して実践・発表の場を設けるものです。SDGsに興味があっても周囲に仲間がいない生徒や、学ぶ機会の少ない生徒に、積極的にSDGsに関わる場所を提供しています。またコロナ禍の影響により学校内外での生徒の活動の場が減少している時期だからこそ実施する価値があると考え、オンラインを活用して開催する事としました。

【本企画の特徴】
中高生を対象としたSDGsの企画は多くありますが、本企画の特徴は以下の3つあります。
中高生による横の繋がりづくり
近年、SDGsに取り組む学校は増えていますが、まだ限られています。そのため、SDGsに取り組みたい意志はあっても、そのような環境にない生徒が多く存在している。学校の枠を越えて企画立案・運営することで、意志を持った生徒を結び付け、日本におけるSDGsの推進を加速させていきたい。
中高生と大学生の縦の繋がりの強化
中高生と大学生がSDGsの推進に一緒に取り組むことによって、学校種を越えた新しい教育のデザインを示します。若い力のアイデアを具体化するためには、年齢を越えた協働の学びがとても大切です。
生徒主体の発信
あくまでも生徒を主体とし、大人は場を提供するだけ、というスタンスを取っています。そのため、いわゆる賞は設けず、あくまでも取り組んだことを評価します。文化祭のように、それぞれが自分の興味の下に、様々な実践と発表を行っていきます。


【SDGs文化祭:全体スケジュール】

キックオフ 6/28(日) オンライン 問題意識や興味がある分野の共有を行います
2nd session 8/8(土)
13:00~18:00
オンライン 市民や大学生との対話を通じ、SDGsの課題とその解決方法をブラッシュアップする
3rd session 8/30(日)
13:00-15:00
オンライン 中高生がそれぞれ課題解決のアイデアを持ち寄り、文化祭に向けたチームを作りSDGsプロジェクトを固めていく
中間発表 10/4(日)
13:00-15:00
オンライン それぞれのチームより途中経過を発表し、互いの学び合いの場とします。
SDGs文化祭 11/15(日) オンライン 取り組んだことを広く社会に発表し、社会からの反応をみる事で、リアルな学びにつなげます。
リフレクション 12月の日曜 東京都内・
場所未定
学んできた事の振り返りを行い、今後につなげます。

 

コーディネーター(SDGs文化祭実行委員)
〇桐蔭横浜大学 教育研究開発機構 専任講師:松井晋作氏
高校教員を10年間務めたのち、多摩大学を経て現職。目黒区・多摩市などで教育コーディネーターに従事する中で、関東地方ESD活動支援センターのユース応援企画のコーディネートを行う。研究分野は、ESD・SDGs・インクルーシブ教育・学校と仕事・社会をつなぐトランジション。
〇私立中・高教諭:佐藤駿介氏
大学で政治学を学び、一般企業に勤務。その後、大学院を卒業し、私立高校の教員となる。
「実践に伴う知識の獲得」を掲げ、現在はESD/SDGs学習推進担当として活動している。

協力団体
〇東京大学EMPOWER Project
東京大学の学生が中心となって、「誰一人取り残さない世界」を実現するための新プロジェクトを立ち上げました。私たちは、「協力が必要な時は、お声を!」の気持ちを表すマークである「マゼンタ・スター」を広めていくことで、困った時、協力してくれる人をみつけやすく、誰もが誰かのためになれる世界をつくることを目指しています。

【プログラム実施内容】

今回の趣旨は、これまで個人が考えてきたSDGsのアクションプランを発表し、テーマが近い者同士でグループを作る事が目的。

 

■個別説明

これまで参加者個人が考えてきた内容を、zoomの画面共有機能を使って全員に向けて発表した。

タイトル 「ジブンゴト」にする「プラスチック問題」
発表内容 SDGsのウエディングケーキでは、社会課題についての政策が多いが、「環境」は取り上げられていることが少ないと感じたので、取り組もうと思った。環境の中でもプラスチックに焦点をあてた。日本には多くの外国人労働者がいるが、日本のゴミの捨て方は複雑なので、外国人労働者の人たちに、分別の仕方を伝えたいと思った。
コメント等 エンパワーメンバー:プレゼンも上手だったし、自分の経験、個性を取り混ぜてよくできていると思う。これから他の高校生との意見交換する過程でブラッシュアップが望めると思う。

松井先生:プラスチックのなかでも、具体性を持って自分が追求したいことに焦点を当てていけるといいと思う。

 

 

タイトル 外国籍児童の教育について 〜今、私にできること〜
発表内容 今年の夏に国内・地元の小学校で外国籍児童の学習指導のボランティアを経験した。日本に住んでいる外国籍の子どもたちの学習指導を継続して続けていきたい。
コメント等 エンパワーメンバー:既に実践済みで、経験がわかりやすく伝わってきた。SDGsは教育以外にも解決課題がたくさんあるので、他の項目も絡めて進められるといいと思う。

 

タイトル TEENに向けたSDGs雑誌:

取り残されている人を考える!×身近なことから考える!!

発表内容 SDGsにまだ取り組んでいない人をこれからどうやって巻き込んでいくのか。を考えてその方法として、「雑誌作成」を提案。トピックを10代が興味を持つ内容にし、SDGsテーマを絡めて情報発信することで、関わるハードルを下げ、読んだ人が実施するイメージを持てるようにしたい。
コメント等 エンパワーメンバー:意識高い系と敬遠している人を「取り残されている」という視点がいいと思った。その視点を、雑誌をツールとして意識を変えていくという試みもいい点だと感じた。

松井先生:「自分発信」か、「他人発信」かをゆっくり煮詰めていくといいと思います。

 

タイトル エコポイントで環境を守ろう
発表内容  海洋プラスチック問題を解決するために何ができるかを考えた。エコポイントカード制度の導入をして日本全国で活用でき、生活の中に入り込んでいる上に国全体で取組むことができる制度にしたい。
コメント等 エンパワーメンバー:考え方がわかりやすく、プレゼンもすごくいい。気になるのが「自分たちができることなのか?」という点。日本国全体を巻き込むことなので、すぐには実行することが難しいと感じた。

松井先生:大きなことをする時に必要になってくるのは「どう順番にやっていくか。」11月の発表まで仲間を探したり、一緒に違う違う形でやってくれる人を探すなど挑戦して欲しい。自分なりに実現に向けて方向性とアイデアを整理してみて欲しい。

 

タイトル 「TOWA~永遠~」若い世代の女の子たちに発信する古着プロジェクト
発表内容 ファストファッションが及ぼす悪い影響を変えたい。服のリユースを広めることで、服の廃棄量削減を実践したい。ファッションサイトを立ち上げ、ファッションを楽しみながら古着の普及を進めていくことでSDGsの情報発信、実践をしていく。
コメント等 エンパワーメンバー:今後大人にプロジェクトを説明する時点で、洋服を生産する企業側は新しく服をる来ることを止めることはできないので、その点を含めて「生産」と「廃棄」の関係を説明をできるようにするといいと思う。

 

タイトル 海の豊かさを守ろう
発表内容 「海に捨てられるプラスチックゴミの廃棄量を減らすために」を自分の日々の生活で、実際に何ができるか。を考えてみた。
コメント等 エンパワーメンバー:自分でたくさん調べて「何が問題か」を整理できている点がよかった。「MSC認証」などの提案がされていたので、それをどうやって具体的に広めていけるかを考えられるといいと思う。

松井:自分自身がどうアクションして関われるかを考えていくとよくなっていくと思う。

タイトル 17〈SEVENTEEN〉POSTER PROJECT
発表内容 ティーン世代である学生を中心にポスターを利用してSDGsを広めたい。その結果、特に若い世代にSDGsに興味を持ってもらう。QRコードの活用や意見箱の設置もやってみたい。
コメント等 エンパワーメンバー:ポスター作成が目標でなく、その後の展開まで考えられている点がよかった。作ることで勉強になり、作った側が、見る側になることを予想しての提案の連動がよかった。

松井先生:アイデアはとてもいいので、「どう具体的にしていくか」を考えていくだけで進んでいくと思う。

 

タイトル 地球にやさしいことをするためにできること
発表内容 プラスチック廃棄量削減のために、①メイク道具を地球にやさしいものにする。②ゴミを分別する。③子どもたちに食べ物の大切さを伝える。等を進めていきたい。これらを進めるために。若い世代が買いたいと思えるものを作ること。それを作る価値があると企業に理解してもらえる方法を考える必要があると気がついた。
コメント等 エンパワーメンバー:ごみを分別しない人たちの心をよく見て、どうやったら楽しくできるか。を捉えて考えられていることがよかった。消費や、産業を巻き込んだステージに向けておおきなプロジェクトにしていけると思う。

■発表に対してブラッシュアップ

次にZoomのブレイクアウトルームにて分科会を実施。各自の発表に対してブラッシュアップのためエンパワーメンバーや、発表者同士で意見交換。(15分間×2回転)

 

~各グループからの感想~

 

【エンパワーメンバー:横山・影山】大学生からの視点でフィードバックをした後、高校生同士で良い点をフォードバックしました。自分の「核」となる部分が大事であると思っていて、自分のなかで「譲ってもいいところ」と「譲れないところ」を整理して進めていけるとスムーズだとグループで進めていく際スムーズだと思います。

 

【佐藤先生】1人で進める上でいいことは自分のやりたいことにフォーカスできる点。複数人でやるときの利点は、自分の中になかった視点が入ってくるという良い点があります。グループの人数指定しませんので、各自その点を踏まえて柔軟に進めていただければいいと思います。

 

【松井先生】今後は、同じグループになれそうな方や、方向が似ている人と意見をすり合わせていくために、SLACK(スラック)を使ってグループ内で話し合いを進めていただきます。ITCツールをフルに活用して進めていっていただきたい。

 

【事務局:伊藤】今後の進め方について話していました。5グループでまずは進めていって、それからまだ細分化されるようであればまた新しグループを作っていきましょう。

■チーム分け

個人の発表、分科会でのブラッシュアップを経て、

今回5チームのテーマ別グループ分けを実施しました。

①広報

②外国籍の方の日本語就学支援、ゴミ分別案内

③ファッション

④SDGsについてTwitterで広める

⑤その他

 

■終了後~SLACK(スラック)での各チーム意見調整の様子~

今回は、全てオンラインで実施しているため、意見交換などは全てSLACKというSNSを用いて実施しています。チーム毎の連絡、メンターとのやりとり、事務局からの連絡など、プロジェクトの進行に必要な事を、こちらで共有しながら進めています。

【SDGsについてTwitterで広める】

【広報】

【教育】

 

■次回中間発表会に向けて

次回は、全員にプロジェクトの内容を発表してもらい、その内容に基づいてグループを作り、チーム分けを行います。チームの人数は1名だけでも良く、最大人数の制限は設けない。今日のセッションの中で、新しく聞いた意見や自分で感じた事を振り返りして、改めて自分の考えを整理して、お互いの考えを聞きき合う時間予定。

 

リンク
〇令和2年度 SDGs文化祭
キックオフ
2nd session
・3rd session
中間発表
SDGs文化祭
・リフレクション
令和元年度 SDGs文化祭

まとめ:伊藤博隆、新木寿子(関東地方ESD活動支援センター)

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