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2020.09.03 センター事業 ユース向け レポート 教員・指導者向け 

<開催報告>令和2年度 SDGs文化祭 2nd session


【開催概要】

タイトル SDGs文化祭 2nd session
日時 令和2年8月8日(土)
前半13:00~15:30  (Edcamp Tama #1内)
後半16:00~18:00  ワークショップ
場所 Webにて開催(zoom)
主催 SDGs文化祭実行委員会
共催 (一社)ESD TOKYO
後援 東京大学EMPOWER Project
協力 Edcamp-TAMA ,関東地方ESD活動支援センター
参加 主に関東の中高生:12名
大学生メンター7名(東京大学EMPOWER Project)
Edcamp-TAMA:95名

 

【企画背景】
これまでESDや環境教育は、主に小学校を中心に取り組まれてきましたが、2015年に国連でSDGsが制定されて以降、中学・高校でのSDGs教育へのニーズが高まってきました。こうした背景から、有志によるSDGs文化祭実行委員会を組織し、令和元年度に第1回SDGs文化祭を企画・運営しました。本企画は、SDGsに興味のある生徒を集め、協働して実践・発表の場を設けるものです。SDGsに興味があっても周囲に仲間がいない生徒や、学ぶ機会の少ない生徒に、積極的にSDGsに関わる場所を提供しています。またコロナ禍の影響により学校内外での生徒の活動の場が減少している時期だからこそ実施する価値があると考え、オンラインを活用して開催する事としました。

 
【本企画の特徴】
中高生を対象としたSDGsの企画は多くありますが、本企画の特徴は以下の3つあります。
中高生による横の繋がりづくり
近年、SDGsに取り組む学校は増えていますが、まだ限られています。そのため、SDGsに取り組みたい意志はあっても、そのような環境にない生徒が多く存在している。学校の枠を越えて企画立案・運営することで、意志を持った生徒を結び付け、日本におけるSDGsの推進を加速させていきたい。
中高生と大学生の縦の繋がりの強化
中高生と大学生がSDGsの推進に一緒に取り組むことによって、学校種を越えた新しい教育のデザインを示します。若い力のアイデアを具体化するためには、年齢を越えた協働の学びがとても大切です。
生徒主体の発信
あくまでも生徒を主体とし、大人は場を提供するだけ、というスタンスを取っています。そのため、いわゆる賞は設けず、あくまでも取り組んだことを評価します。文化祭のように、それぞれが自分の興味の下に、様々な実践と発表を行っていきます。

 

【SDGs文化祭:全体スケジュール】

キックオフ 6/28(日) オンライン 問題意識や興味がある分野の共有を行います
2nd session 8/8(土)
13:00~18:00
オンライン 市民や大学生との対話を通じ、SDGsの課題とその解決方法をブラッシュアップする
3rd session 8/30(日)
13:00-15:00
オンライン 中高生がそれぞれ課題解決のアイデアを持ち寄り、文化祭に向けたチームを作りSDGsプロジェクトを固めていく
中間発表 10/4(日)
13:00-15:00
オンライン それぞれのチームより途中経過を発表し、互いの学び合いの場とします。
SDGs文化祭 11/15(日) オンライン 取り組んだことを広く社会に発表し、社会からの反応をみる事で、リアルな学びにつなげます。
リフレクション 12月の日曜 東京都内・
場所未定
学んできた事の振り返りを行い、今後につなげます。

 

コーディネーター(SDGs文化祭実行委員)
〇桐蔭横浜大学 教育研究開発機構 専任講師:松井晋作氏
高校教員を10年間務めたのち、多摩大学を経て現職。目黒区・多摩市などで教育コーディネーターに従事する中で、関東地方ESD活動支援センターのユース応援企画のコーディネートを行う。研究分野は、ESD・SDGs・インクルーシブ教育・学校と仕事・社会をつなぐトランジション。
〇私立中・高教諭:佐藤駿介氏
大学で政治学を学び、一般企業に勤務。その後、大学院を卒業し、私立高校の教員となる。
「実践に伴う知識の獲得」を掲げ、現在はESD/SDGs学習推進担当として活動している。

 
協力団体
〇Edcamp TAMA 実行委員会
(株)ベネッセの社内有志組織「One Benesse」が「Edcamp」の多摩地域運営を担当。「Edcamp」は2010年アメリカ・フィラデルフィアの教員が始めた参加者主導で行われる、プロフェッショナルディベロップメントカンファレンス。ICTスキルをフルに活用し、集まった参加者が自分たちで当日のセッションの内容を決めていく手法を用い、多岐テーマを同時に話し合うことができる学びの場の運営集団。

 

〇東京大学EMPOWER Project
東京大学の学生が中心となって、「誰一人取り残さない世界」を実現するための新プロジェクトを立ち上げました。私たちは、「協力が必要な時は、お声を!」の気持ちを表すマークである「マゼンタ・スター」を広めていくことで、困った時、協力してくれる人をみつけやすく、誰もが誰かのためになれる世界をつくることを目指しています。

 

【プログラム実施内容】

今回は新型コロナ対策として、参加者・スタッフ全てがオンライン会議システムのzoomを使用して、webにて開催した。2部構成としており、前半は「EdcampTAMA#01~未来の文化祭を考えよう@多摩」というオンライン・イベントとコラボさせていただき、同イベント内で、SDGs文化祭に参加している中・高生が進めているSDGsアクションプラン(素案)を説明し、企業を中心とした様々な大人や、多摩美術大学の学生の方から意見をいただいた。

後半は、SDGs文化祭のメンバーのみで進めた。
 
前半進行:Edcamp TAMA 実行委員会 : 田村友宏氏
後半進行:桐蔭横浜大学 教育研究開発機構 専任講師:松井晋作氏
 

■Edcamp TAMA・趣旨説明

〇Edcamp TAMA 実行委員会:田村友宏 氏

参加者は、殆どが初対面であり年代・職業も幅広く、オンラインに慣れていない方も多いことから、緊張を解きほぐすためにアイスブレイク(氷を溶かす)を実施。zoomに慣れるための練習として、チャットを使って①「今日の気分」と ②「今日の参加理由」を書き込んでもらったところ、続々とチャット欄にショートセンテンスで参加に対する「期待」や「ワクワク」を表す文章が続きました。続いて「自分を漢字1文字で表現すると?」とういう問いかけに、参加者の皆さんは、メモ帳やノートにそれぞれ記入した『自分を表わす漢字』を自宅のPCカメラを通して参加者全員に向かって披露しました。
 

■Edcamp TAMA:セッション①
自分のSDGSアクションを発表しよう By SDGs文化祭メンバー
&多摩美大生直伝 話し合いの見える化

進行:
・桐蔭横浜大学 教育研究開発機構 専任講師:松井晋作氏
・(一社)ESD TOKYO 佐藤俊介氏

6/28に開催した SDGs文化祭のキックオフにおいて、参加する中高生には「自分がやりたいと思うテーマについて、プロジェクトのアイデアを考えてください」という課題が出されていました。このセッションでは、SDGs文化祭に参加する中高生が、Edcamp TAMAに参加する全く接点のない大人たちにプロジェクトのアイデアを聞いてもらい、感想をきいてみようという趣旨で、23のブレイクアウトルーム(分科会)に別れ、12分のセッションを2回実施しました。

1チームは3〜5人。チームメンバーは全員が初対面、年齢も職業も様々な方々。「普段友達と話すときに使う言葉が、大人には通じなかった。」「大人が使う専門用語がわからない。」そんなハードルを感じながらも、最初は遠慮がちだった高校生が少しずつ自分の言葉で「企画」を表現していく場面に立ち会った参加者の大人たちからは、一様に「自分の意思をしっかりと高校生が持っていることに驚かされた。」「身近な生活の中から問題意識を持ち、よく調べてアクションプランが考えられていた。」という感想が出ました。

 

【話し合いの見える化】

多摩美大でフリーペーパーを作っている学生さんからは、話し合いを視覚化するためアイデアとして、ファシリテーターの進行を補助する書記の役割を、記号やイラストによって、視覚的によりわかりやすく表現する方法をご提案いただきました。上手に使うことで、意見共有次に相互理解を深めていくことができる手法を、早速取り入れながらのセッション実施となりました。

 

■Edcamp TAMA:セッション② 地域における学校を超えた教育のあり方とは?

「Edcamp」では、「そのときに参加しているメンバーが話し合いたいセッションテーマのチームに移動する」というのが特徴であり、今回はオンライン開催という事で、色々と工夫して実施されていました。

参加者がgoogleのフォームで、話したいテーマを入力すると、リアルタイムで画面共有されたエクセルに反映される仕組みです。テーマが50近く出されて多すぎたので、エクセルの表を参加者全員で見ながら、ファシリテータの方が相談してグループを集約し、最終的には7つのテーマ、14のグループに別れ、ブレイクアウトルームに移動してグループ・ディスカッションを行いました。参加者は、zoomの自分の名前の頭に、自分の参加したいテーマの番号を入れて、それを運営側の方が見てブレイクアウトルームの割り振りを行いました。

○テーマの一覧
 1.コロナ系(3グループ)
 2.キャリア系(2グループ)
 3.サステナブル系(2グループ)
 4.地域(多摩)系(2グループ)
 5.オンライン系(1グループ)
 6.人とのつながり(リアルを求める)系(2グループ)
 7.これからの教育系(2グループ)

セッション2の進め方は、以下の通りです。

 

■Edcamp TAMA:セッション③ オンラインを活用した文化祭の出し物とは?

セッション3は、多摩市役所さんの主催するオンライン文化祭の企画を検討するセッションです。

ここでも参加者からテーマを募集し、集約されたテーマは以下8つ。

・ビブリオ(漫画・本)
・展示系
・発表(音楽)
・発表(ゲーム)
・発表(パフォーマンス)
・バーチャル系(映像)
・観光系(旅系)
・多摩をテーマに

このセッションで見られたのは、各グループで世代・職業などが違うからこそ引き出される、「それぞれの異なる強み」がかけ合わされる瞬間でした。「若者文化知識✕イベント実現力」、「多摩地域愛✕ITスキル」といったように、誰かが持つアイデアを、別の誰かのアイデアと掛け合わせることで新しい形に変化させ、そのアイデアが膨らんでいく様子が見受けられました。1人では立ち止まってしまう場面でも、別の知識を持つ「誰か」と協力することで、世界が広がる瞬間を高校生に体験してもらえたのではないかと感じます。

 

■SDGs文化祭2nd-session:導入

進行:桐蔭横浜大学 教育研究開発機構 専任講師:松井晋作氏
後半は、松井晋作氏の進行の元に SDGs文化祭の参加メンバーだけで、前半のEdcamp TAMAの振り返りと、今考えているSDGs課題について、グループに分かれてディスカッションしました。今回も、東大のEMPOWER PROJECT の皆さんにご協力いただき、SDGsへの理解をより深めるミニ講義と、グループファシリテーションを実施していただきました。

EMPOWER Project メンバー

どのような思いを持ってEMPOWER Projectやボイス・オブ・ユース JAPANを開始し、どのような活動をしてきたか、実践から得た学びなども含めて紹介していただきました。最後に中高生へのメッセージとして、「大事なのは、最初にそのプロジェクトを進めていこうと思った動機。そして、プロジェクトの核となるコンセプト。」という事を話していただき、伝えたい事として、以下のようにまとめていただきました。

まとめ〜コンセプトを考えるときに大切にしたい3つのこと〜

1.「ジブンゴト化」しよう
あなたが熱意を持っていることは何?
2.イママデとは違うのはどこ?
従来とは違ったアプローチ、新しい分野などを探してみよう
3.「誰一人取り残さない」を大切にしよう
 

■SDGs文化祭2nd-session:ブレイクアウト・セッション

グループワークの前に、前半のEdcamp TAMAの感想を聞いたところ、以下のような意見が出た。

・大人は多視点で物事を捉えていると思った
・一つの意見も奥が深くて、色々考えて発言している
・親や先生以外の大人と話す機会は普段はあまりなく、色々な意見をもらえて嬉しかった

 

今回参加しているEMPOWER Projectのメンバー7名が、それぞれがグループファシリテーターとなって、ブレイクアウト・セッションを行った。EMPOWER Projectから出されたお題は以下の通り。

1.班で話し合ってみよう(10分=1人1分程度×5+5分)

・あなたが作りたい社会はどんな社会?
・あなたが熱意を持っていることは何?
・取り残されている人は誰?

2.代表者を決めて意見を全体にシェア(10分=各班1分程度)

 

各グループからの感想

  • (企画中のプロジェクトのシェア)人にもモノにも環境にも優しい社会を目指しているが、弁当箱を使うようになって、プラスチックが多いが、劣化しやすいので、竹のわっぱが良いことを知った。竹は増えすぎて困っているところも多いので、木のわっぱでなく、竹のわっぱを使うことで、色々な問題が解決できると思う。
  • 「作りたい社会はどんな社会」という話題で、差別や格差のない社会、場所や人種で差別されない社会を目指したいという意見が出た。また個人が考えてきた案で出たのは、「貧困の人に勉強を教える」、「海洋プラスチックごみ問題」、「SDGsの広報活動」などの意見が出た。
  • 「取り残されている人は誰?」という話題の中で、SDGs文化祭に参加しているような人を「あいつら、意識高いよな〜」と言っている人が取り残されているという話が出た。「作りたい社会」としては、全員が世界の問題を考えられるような社会にしたいという事。Edcamp TAMAで大人に言われたのは、「意識が高い事が、カッコイイ」という話だった。
  • 「飢餓で苦しむ人がいなくなって、世界中の人が笑顔になれたら良い」、「差別に苦しむ人を助けたい」という話題が出た。共通していた点としては、お互いに自分のプロジェクトを考えて、それを実行できたらより良い社会になるという事。具体的には、飢餓で苦しむ人がいるのに、先進国は食材を無駄にしているのはとても勿体無いこと。私たちの生活を見直して、食材を買いすぎたり、腐らせたりするのは勿体無いので、AIで解決するような冷蔵庫を作りたいと思った。いじめなどで困っている人が、匿名のSNSで相談できて、助け合うような仕組みが出来ると良いという話が出た。
  • 「どんな社会を作りたいか?」というのは、誰一人取り残されない、世界中みんなで楽しみながら、自分たちの手で地球を守れる社会。実践している事ととして、自然光や風を取り入れてあまり電気を使わないようにするとか、家で食べる野菜は、地元でとれたものにしている。「楽しみながら」ということを強調したくて、SDGs文化祭に参加している人たちは意欲もあるけど、私たちだけでは出来ないので、みんなを巻き込んで地球を守れたらなと思う。やりたいことは、ファストファッションの労働者問題。
  • (企画中のプロジェクトのシェア)みんが同様に、質の高い教育を受けられること。外国籍の生徒に日本語を教えるボランティアに参加したが、外国から日本に来て勉強するのは本当に難しいことで、母語もしっかりしていない子が日本語で授業を受けると、学力の差がどんどん出来てしまって、取り残されてしまうと考えた。そういう子たちが質の高い教育を受けられることが出来たら良いと思った。
  • 環境と教育について考えているメンバーがいた。(企画中のプロジェクトのシェア)教育の中でも不登校に注目している。不登校は良いイメージではないが、不登校の子が生きやすい社会、「不登校だからこそ出来る事ある」というような社会を作っるようなプロジェクトを考えている。

 

次回は、全員にプロジェクトの内容を発表してもらい、その内容に基づいてグループを作り、チーム分けを行います。チームの人数は1名だけでも良く、最大人数の制限は設けない。今日のセッションの中で、新しく聞いた意見や自分で感じた事を振り返りして、改めて自分の考えを整理して、お互いの考えを聞きき合う時間予定。
 
 
令和元年度 SDGs文化祭
〇令和2年度 SDGs文化祭
キックオフ
・2nd session
・3rd session
・中間発表
・SDGs文化祭
・リフレクション
 
 
まとめ:伊藤博隆、新木寿子(関東地方ESD活動支援センター)

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