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2022.12.27 SDGs関連 センター事業 レポート 地域ESD拠点 教員・指導者向け 

<開催報告> ESD地域意見交換会in千葉「千葉のSDGs教育&ESD」Now!


 

【概要】

日時 令和4年12月4日(日)13:00〜15:30
会場 千葉県教育会館 本館604会議室 (千葉市中央区中央4-13-10)
(JR本千葉、京成千葉中央より徒歩12分)
参加人数 35名
対象 主に、千葉県内でSDGs教育、ESDに関わるNPO、学校(教員、学生)、行政、企業、一般の方
主催 関東地方ESD活動支援センター
後援 千葉市
協力 特定非営利活動法人 環境パートナーシップちば
ち~ば国際教育ネットワーク(CIEN)

 

【企画趣旨】
関東地方ESD活動支援センターでは、ESD(Education for Sustainable Deveropment=持続可能な開発のための教育)の推進を図るための意見交換会を、関東各地で実施しています。令和4年度は、千葉県において「地域ESD活動推進拠点」等の取組み紹介を行うとともに、千葉県内でESDを共に推進する方々との意見交換の場として開催しました。

 

 

【プログラム】

■趣旨説明

関東地方ESD活動支援センター:島田幸子
ESD/SDGsについての概略、ESD事例の紹介、前回の高校向けESDプログラムの紹介
 

地域ESD活動推進拠点の取り組み紹介

「持続可能な視点を持つ人づくり=地域づくり」

NPO法人環境パートナーシップちば(NPO環パちば)
<千葉市花見川区>
代表理事 桑波田和子氏

「環境パートナーシップちば」は、任意団体として1997年に設立。環境活動の推進と充実を図るため、市民・団体・企業・行政・学校とのパートナーシップのもと「持続可能な開発に向けた目標(SDGs )」や「持続可能な開発のための教育(ESD)の視点を意識して、さらなる持続可能な社会の実現を目指している。
「エコメッセちば」(→取材記事)の運営を行政との連携で設立当初から進めるほか、近年では「SDGsを達成するためのESD担い手育成事業」として、地域リーダーの育成、県内に地域拠点づくり(県南・県北・中央)、ユース活動支援等を実施している。

 

青年海外協力隊経験を活かした中学校現場での実践

ち~ば国際教育ネットワーク(CIEN:Chiba International Education Network) <千葉市美浜区>
会長:鈴木良壽氏
千葉市立犢橋中学校教諭 辻村靖子氏

JICA青年海外協力隊として途上国での活動経験をもつ教員を中心に、その経験を教育現場に生かすことを目的として組織した研究団体である全国OV教員・教育研究会の千葉支部として2015年に設立。JICA千葉デスクと協働しながら、大学生や一般の方々と共に「国際教育」や「ESD」をキーワードにイベントを企画し、学びの機会を提供している。
メンバーの辻村氏より、協力隊で派遣されたカンボジアの3つの学校で、音楽の巡回指導をした経験を活かし、「ユニクロ服のチカラプロジェクトへ参加」、「元協力隊でボランティアをした方と交流」、「海洋プラスチック問題に取り組む方のオンライン授業」などの実践を紹介。
CIENの活動に参加した二人の学生より発表が行われた。いずれの活動においても、あらゆる課題を自分事として考えながら行動することがSDGsにつながっていく。
・ネットワーク拡大プロジェクト:環境問題に関心のある人が集まり、共に活動する仲間づくりを行う
・カタリバ:社会問題や世界情勢について、世代や所属を越えて気軽に話そうという会

 

男女共同参画の視点を大切にした、誰一人取り残さない避難所づくり

流山防災まちづくりプロジェクト <流山市>
代表 矢口輝美氏

「女性防災リーダー養成講座」修了生16名により2019年4月に結成。2019年9月には流山市総合防災訓練にて避難所運営訓練を実施し、自治会や中学生と一緒に避難所開設訓練、女性防災リーダー養成講座、避難所運営ハンドブックの策定などの活動を実施している。
令和4年度は、ESD for 2030学び合いプロジェクト(関東)~「気候変動による影響と対策に関する、学びと実践」の事業を関東ESDセンターと連携して実施している。

 

青少年自然の家を核としたESDの取組み

NPO法人 千葉自然学校<千葉市中央区>
千葉県立君津亀山青少年自然の家所長 庄司達哉氏

NPO法人千葉自然学校は、千葉県内における自然体験活動団体をつなぐネットワーク型の自然学校として、平成15年より活動を開始。自然体験を通して、千葉県の里山・里海の保全と地域の活性化を目指しており、ネットワーク会員との連携し県内全域で幅広い世代を対象とした自然体験活動を実施している。千葉県などから3か所の指定管理施設の運営・管理を実施し、学校・企業など多くの団体に利用されている。
千葉県立君津亀山青少年自然の家では、キャンプファイヤーなど定番のプログラムのほか、「きみかめSDGsプログラム」として、「クラフト×SDGs」、「上総掘り体験」+「水の循環体験」、「6歳になったら机をつくろう」など、切り口を変えることで、環境について意識を高めるプログラムも実施している。「環境教育関東ミーティング2022」事務局も務めており、令和5年2月11日(土)~12日(日)に開催する。

 

 

ワークショップ

ワークショップでは、「地域でESDを進めるのに、こんなプロジェクトをやってみたい」をテーマに、参加者同士でディスカッションを行った。今回は交流を目的としているため、同じ団体の人が同じテーブルにつかないように分かれて座り、意見交換を行った。
(全体ファシリテーター:関東地方ESD活動支援センター 伊藤博隆)
〇各グループの発表の要約
[グループ1]発表者:学生

  • 一番盛り上がった話は、「2050の未来づくり」。自分たちが2050年に、何歳になったときに、こういう未来であってほしいとか、妄想でもよいので素敵な未来を予想し、では、今、どうしなければいけないかというように、マイナスな考え方ではなく、明るくて楽しいところを皆で目指していけたらとすごく盛り上がった。
  • その中で、地域の「もったいない」を見つけるプロジェクトのようなものが楽しそうだと思った。SDGsのような言葉では課題がすごく広がるが、全ては「もったいない」という感覚的なものから始まっているのではないか。小学生とか若い子たちが地域で取り組むプロジェクトだったら楽しいのでは。

 

[グループ2]発表者:大人(自分の子どもが学生)

  • チーバくんの鼻の部分にあたる利根運河を、千葉のESDの舞台としてなんとか活用できないか、ということを話し合った。
  • 利根運河では、歴史、物流、自然環境など、今、非常にESDとしての課題がいっぱいある。地域の方の利根運河への想い、非常に熱い郷土愛もあり、なんとか学びの場の舞台として活用できたらよい。

 

[グループ3]発表者:大人(教員)

  • 地域との交流。地域のESDの関わりを持つ団体と子どもとの関りを。子どもが里山や農業体験をするとか、実際に古民家を再生するプログラムに子どもに関わってもらったり、井戸を掘ってもらったり、町内会・地域の方との関りを子どもたちが持つという話で盛り上がった。
  • 千葉は米も採れるし、水もきれいだし、魚も採れるし、千葉県民が自給自足で生きられるような生活スタイルを目指したらよいのではないか。それを千葉県民以外に見せることによって、環境にやさしい千葉県民というのをアピールできるのではないか。

 

[グループ4]発表者:学生

廃校で体験教育。廃校は、物の再利用・再生が可能な場所であり、やりたい放題。色々な目的によって教室が分かれているので、そこを中心にアイデアが広がった。

  1. 廃校と同じようなに千葉の古民家にも目を付けた。古民家などは、日本人から見れば価値がないかもしれないが、外国人から見れば和風な趣、侘び寂びなどとても価値があるのでは。
  2. 防災プロジェクト。湧水めぐり遠足。水は人間にとって絶対必要な物である。そこから派生してハザードマップとか、地震で液状化が起こった場所が元は埋め立て地だったなど、知れば知るほど防災プロジェクトに生かせるのでは。
  3. 農業、耕作放棄地の再生について。稼げる農業、農業資源について話が出た。ソーラークッキングでランチ会。食品ロスや省エネにつながる。晴れたらどこでもできるアウトドア。太陽は、水と同じくらい人間にとって必要不可欠なので、教育という意味では、子どもたちには絶対に知ってもらいたいと、アイデアを出した。

 

[グループ5]発表者:大人

  • コラボレーションが成立した。流山防災まちづくりネットワークとガールスカウトは、どこかで絶対にコラボレーションする、連盟を結ぼうという話が出た。がんばっていただきたい。
  • JICAで海外で教育をして日本に戻って来られた方もいて、今の教育に一番欠けているのは多様性との話が出た。日本にいる外国人、日本国内での多世代、日本国内での貧困の二極化も、全て多様性ということを上手に教育に組み込むことでと解決できるだろうと。
  • 今までの既存概念ではない形。今ここにいる皆さんが持っている新しい切り口を教育に組み込んでいくことが、新しい教育の形を作り出すことにつながる。考えているだけではなくて、何らかの形で行動する。それが千葉で、JICAOV祭り、流山でガールスカウトとコラボレーションした防災祭りになるのかもしれない。皆さんの力が合わさり、一歩踏み出して関わっていけると良い。

 

[グループ6]発表者:大人

  • 被災地で使えるトイレのマップアプリについて。防災の際に、トイレが使えるかどうかがすごく重要になってくるという話で一番盛り上がった。グーグルマップと連動してみるとよい、トイレのスコア化、口コミを使ってここのトイレがきれいだ、使いやすいなどの情報を共有できるとよい。
  • 水源調査、森林整備という話も出た。そこからの派生で、木育、子どもが生まれたらおもちゃを作ろう、自給自足のカレー作り。林業も大事。若者たちが一歩を踏み出せる環境をどのようにして作れるかも大事になってくる。

 

 

■ワークショップで出た意見のテキストマイニング(6グループ全体) 

 

ご参加者コメント(アンケートより抜粋)

  • 今まで自分の周りにはESDに精通されている大人の方々が多くはなかった。このイベントに参加して自分が思う以上に「教育」は可能性があり、年齢問わず多くの方に必要とされている。
  • フィールドが違っていても”一生活者”という立場は同じなので知恵が広がった感、共通点をたくさん発見できた。
  • 普段はあまり関わることのない地域の方々の声をきくことができてよかった。自分たちの活動の広がりを感じられた。
  • 学生さんの活動の発表がもっとあれば良い刺激になると思います。

 

今後、取り組んでみたいESDの活動

  • 地域社会のネットワーク構築
  • 県内のESD・SDGsでつながれる
  • 生徒とユネスコスクールと地域活動の連携
  • 農業(耕作放棄地の再生)、空き家の再生、ソーラーシェアリング

 

 

連携イベント
当日は、下記のイベントと連携し、多くの方にご参加いただきました。
「SDGs・ESD理解促進公開セミナー」
日時:令和4年12月4日(日)10:00~12:00
会場:千葉県教育会館 604会議室(本行事と同会場)・オンライン
定員:60名(会場) +30名(オンライン)
主催:NPO法人環境パートナーシップちば(環パちば)
 → チラシ(PDF:989KB)

 

 

まとめ:関東地方ESD活動支援センター 伊藤博隆

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