ユースが考える「SDGs課題解決に向けた取り組み」についての対話の場!
今回で3年目となる、この「SDGs文化祭」は、SDGsに興味があっても周囲に仲間がいない生徒や、関心があっても学ぶ機会が与えられていない生徒が集い、SDGsについて学び・実践した活動を発表する取り組みです。将来の社会を担っていく若者にとって、持続可能な未来は、まさに自分事です。そうした彼・彼女たちは、将来についてどのような課題あると考えているのか、またそれをどのような方法で解決しようと考えているのか。
これまで半年の活動を通じ、それぞれにSDGsの課題解決につながる取り組みを考えてきました。この文化祭では、彼らが考え実践する、様々なSDGs への解決アプローチを、広く世の中に問うものです。7月のキックオフから始まり、現在文化祭に向けて、チームごとに取り組を進めてきました。今年は全てオンラインで実施していますが、地域を越えてチームが作られるなど、オンラインならではの良さもあります。試行錯誤して準備した各チームの発表を聞き合い、質疑応答する場を設けました。
【SDGs文化祭発表会 概要】
日時 | 令和3年10月31(日)13:00~16:30 |
実施方法 | オンライン(zoom) |
主催 | SDGs文化祭実行委員会、(一社)ESD TOKYO、(一社)環境パートナーシップ会議 |
後援 | 東京大学EMPOWER Project、 |
内容 | 関東を中心とした各地から集まった、SDGsに関心を持つ中学生・高校生たちが集い、SDGs課題をどのように解決していくのかを考え、アクションを行っているものを発表。SDGs文化祭に来場された方とのディスカッションを通じ、自分たちの考えをさらに深めていく取り組みです。 |
【実施内容】
①テーマ毎にチーム発表
各チームごとにZoomシステム内にブレイクアウトルームを設け、中高生から1プロジェクト10分程度プレゼンテーション、内容についての質疑応答を実施しました。他校の学生さん、企業で働く大人の方、初めてその問題に触れた方など。様々な角度からプレゼンテーションについての質問が続きました。
②東京大学EMPOWER Project取り組み紹介
高校生のプロジェクト展開に対して相談・アドバイス役をする“メンター”をしている皆さんが所属する、東京大学EMPOWER Projectの普段の活動内容をご発表いただきました。
【各チームの発表内容】
1.10代とジェンダー教育
はじめに、私がこのテーマに取り組もうと思ったきっかけ等の説明。次に、インスタグラムでの発信、教材開発の構想、終わりに、この活動を継続する上でのゴールの解説を実施しました。
2.文房具とランドセルで社会をつなごう
文房具とランドセルのリサイクルについて調べたことをまとめ、ポスターのようなものを作り、図書館や公民館などの掲示板に掲示を行いました。私たちにとって身近な文房具とランドセルですが、それらはいつかは使わなくなってしまいます。そんな文房具とランドセルのリサイクルについて掘り下げた発表を行いました。
3.WATER CRISIS
皆さん、水道から飲める水が出てくるということは、どんなに貴重なことかご存知ですか?
世界の水の危機的状況について、その現実を広めたいと思っていて、中高生の私たちに何ができるか考えるきっかけとなりたいと考え発表を実施しました。
4.知ることから始めるマイクロプラスチック‼
「マイクロプラスチック」に興味を持ち、浜辺や川で実験をしました。マイクロプラスチックはどこからきたの?私たちの知らないことを知るに変えることで、きっとこの状況を変えることができるはずだと考えます。こちらをプレゼンテーション内でお伝えしました。
5.食育を通してSDGsを広めよう
食育を通してどのようにSDGsを広めていくのか私なりに考えたこと。を発表しました。
6.企業とsdgsについて語ろう-やわらかい頭で【国境を超えた仕事の共存】を考える-
少子高齢化問題を抱えている日本。私達は近い将来労働力不足に悩まされるだろう。その解決策として政府も進めている外国人労働者雇用。生まれも育ちも違う彼らと共存しよりよい未来創るために私達は何をすべきだろうか。を発表実施しました。
7.ファッションの視点からジェンダー平等を目指す
個人的に興味にあるファッションと絡めてSDGsの5番、ジェンダー平等について考えました。スカートもズボンもそもそもは筒状の布だ、という考えから、スカート=女性の服という認識の現代社会に疑問を投げかけました。
8.学生から始める食品ロスのない世界
・食品ロス削減のために、学生をターゲットとした学生団体の立ち上げ、SNSでの情報発信
・農家さんにお手伝いをした対価として、規格外商品をもらい寄付をするシステムの形成
・最終的には、中高生から、フードドライブを募り、貧困に苦しむ中高生に向けて提供する施設を作ることを目指す。
・施設では、イベント実施、その施設に来づらい人に向けて発送して支援するなどの工夫も重ねる。
上記について発表を行いました。
9.What do you know about the SDGs?
みなさん、SDGsとは何か知っていますか?名前だけ知っているけど、内容は知らない・・・そんな人が多いと思います。みなさんにSDGsのことを知ってもらうため、私たちは、パンフレットや、SNS(Instagram)を使って、発信していく予定です。この件についてプレゼンテーションを行いました。
10.FAIRTRADE SCHOOL
私たちは、フェアトレードを様々な人に知ってもらおうと活動しています。私たちのグループ名「FAIRTRADE SCHOOL」には、私たちが学生であるという事を活かしつつ、若者だけでなく私たちも含めたみんなでフェアトレードについて学んでいこうという意味が込められています。私たちが今までに行ってきた活動としては、Instagramの投稿と実際にフェアトレード商品を取り扱っている事業者の方への問い合わせの二つです。Instagramの投稿に関しては、インプットとアウトプット、様々な面からフェアトレードについての配信を行っています。フェアトレード商品の紹介、フェアトレードについてのおすすめの本、フェアトレード大学とは、や過去に参加したフェアトレードのイベントのレビューなどの投稿を行いました。企業との問い合わせに関しては、多少苦戦しましたが、事業者の方にお話を伺うことができました。
【今年度の取組】
ご参加いただいた中高生の皆さん、今日まで本当にお疲れ様でした。勉強・部活と忙しい環境のなかで時間を捻出し、初めて会う人とチームメンバーになって発表を作り上げていくことは大変な作業だったと思います。回を重ねるごとに、目的がクリアになり、様々なアクションに踏み出すみなさんの活発さに毎回驚かされながら事務局運営させていただきました。3年前にSDGS文化祭を開始したときよりも環境が大きく変わり、「SDGS」という言葉が非常に身近になりました。ここまで積み重ねてきたものを、この文化祭が終わっても自身の活動として続けていっていただけることを期待しています。最後まで活動に参加し、発表してくださってありがとうございました。関係者皆様にも厚く御礼申し上げます。(関東地方ESD活動支援センター 新木)
【令和3年度SDGs文化祭:これまでの取り組み】
キックオフミーティング | 7/18(日) 14:00-16:30 |
オンライン | 問題意識や興味がある分野の共有を行います |
2nd session | 7/27(火) 15:30-17:00 |
オンライン | 各自で考えたアイデアを、社内でSDGsやCSRを担当する企業人に話して、アドバイスや感想を聞き、アイデアをブラッシュアップします。 |
3rd session | *8/25(水) 10:00-12:30 |
オンライン | チーム分けを行い、今後取り組んでいくSDGsプロジェクトを固めていきます。 |
中間発表 | 9月26(日) 14:00-16:30 |
オンライン | 発表本番に向けてチームごとに途中経過を発表し、本番に備えます。 |
SDGs文化祭 | 10月31(日) 13:00-16:30 |
オンライン | チームで取り組んだ成果を、様々な立場の人に発表し、対話・交流します。 |
【SDGs文化祭の実施イメージ】
【本企画の特徴】
中高生を対象としたSDGsの企画は多くありますが、本企画の特徴は以下の3つあります。
①中高生による横の繋がりづくり
近年、SDGsに取り組む学校は増えていますが、まだ限られています。そのため、SDGsに取り組みたい意志はあっても、そのような環境にない生徒が多く存在している。学校の枠を越えて企画立案・運営することで、意志を持った生徒を結び付け、日本におけるSDGsの推進を加速させていきたい。
②中高生と大学生の縦の繋がりの強化
中高生と大学生がSDGsの推進に一緒に取り組むことによって、学校種を越えた新しい教育のデザインを示します。若い力のアイデアを具体化するためには、年齢を越えた協働の学びがとても大切です。
③生徒主体の発信
あくまでも生徒を主体とし、大人は場を提供するだけ、というスタンスを取っています。そのため、いわゆる賞は設けず、あくまでも取り組んだことを評価します。文化祭のように、それぞれが自分の興味の下に、様々な実践と発表を行っていきます。
【関係者紹介】
■コーディネーター
〇桐蔭学園トランジションセンター専任講師:松井晋作氏
高校教員を10年間務めたのち、多摩大学を経て現職。目黒区・多摩市などで教育コーディネーターに従事する中で、関東地方ESD活動支援センターのユース応援企画のコーディネートを行う。研究分野は、ESD・SDGs・インクルーシブ教育・学校と仕事・社会をつなぐトランジション。
〇文化祭企画委員:佐藤駿介氏(私立学校教諭)
大学で政治学を学び、一般企業に勤務。その後、大学院を卒業し、私立高校の教員となる。
「実践に伴う知識の獲得」を掲げ、現在はESD/SDGs学習推進担当として活動している。
■協力団体
〇東京大学EMPOWER Project
東京大学の学生が中心となって、「誰一人取り残さない世界」を実現するための新プロジェクトを立ち上げました。私たちは、「協力が必要な時は、お声を!」の気持ちを表すマークである「マゼンタ・スター」を広めていくことで、困った時、協力してくれる人をみつけやすく、誰もが誰かのためになれる世界をつくることを目指しています。
【お問い合わせ先】
・SDGs文化祭について
SDGs文化祭実行委員会
担当:佐藤駿介(私立高等学校教諭)
メールアドレス:sdgs.school.festival★gmail.com (★を@に替えてお送りください)
・申込等
関東地方ESD活動支援センター 担当:伊藤、新木、島田
東京都渋谷区神宮前5-53-67 コスモス青山B1F
TEL:03-6427-7975 FAX:03-6427-7976
kanto★kanto-esdcenter.jp (★を@に替えてお送りください)
http://kanto.esdcenter.jp
【令和3年度 SDGs文化祭 活動報告】
●<開催報告>令和3年度 SDGs文化祭 中間発表会
● <開催報告>令和3年度 SDGs文化祭 3rd session
●<開催報告>令和3年度 SDGs文化祭 2nd session
● <開催報告>令和3年度 SDGs文化祭 1st キックオフ
〇<開催報告>令和2年度 SDGs文化祭
〇<開催報告>令和元年度 SDGs文化祭